第6話 体育祭当日

「緊張してきたね〜」


「そうだね」


 朱音と紫織はソワソワしている。


 これから騎馬戦があり、ウチも気合マックスや。


 茉桜は落ち着いている。


 みんな並んで準備を始める。


「練習通りやれば問題ないよ、頑張ろうね」


「お〜!」


「ええ、そうね」


 スタートのピストルの合図がパァンと鳴る。


「よっしゃー!行くぞー!」


 ウチらは練習の成果を発揮して機動力を活かし相手を翻弄する。


 乗ってる人が周りを見て「右!」「後ろから来てる!」と指示を出しており、それに合わせてウチらは動く。


 ウチらのチームワークが良かった事もあり、無事に騎馬戦は勝つ事が出来た。


「いぇーい!」


 朱音がはしゃいでみんなとハイタッチして行く。


 ウチもテンションが上がってみんなとハイタッチ。


 何個か競技が進み、次はムカデ競争だ。

 このムカデ競争が終わるとお昼の時間になる。

 ムカデ競争は練習したと言っても並んで歩いただけである。


 みんなスタートラインに順番通りに立ち、先生が用意してくれた、棒に付いている紐を足首に結んでいく。


 肩に手を置き、合図をまつ。


 パァンとスタートの合図が鳴る。


 朱音の「せーの!」の合図で進み出す。


 ムカデ競争は早ければいいってものじゃない。

 いかに転ばずにゴールまで進んでいくかが大事だ。


 ウチらは転ぶ事無くゴールの近くまで来ていた。


 横を見ると1組並んでいる。


 接戦だ。


 落ち着いてはいるが少し焦ってしまう。


「もうちょいやー!」


 ウチが焦ってしまいペースが乱れる。


 その瞬間足が絡まりペタンとみんなが倒れる。


「いや〜!」と朱音。


「わあ!」と紫織。


「ん」と茉桜。


「アカーン!」とウチが叫ぶ。


 すぐに持ち直したけど、ウチらは3着に終わる。


「ほんまごめん!焦ってしまった!」


 ウチはみんなに謝る。


「いいよ〜気にしないで」


「そうだよ、楽しかったしね」


 茉桜は黙っている。


 みんな全然怒ってはいなかった。


 その後はお昼の時間、中庭で4人でご飯を食べた。


「ちょっと飲み物買ってくる」


「私も行くわ」


「じゃ、あたしリンゴジュース〜」


「私はカフェオレ」


 ウチは茉桜と一緒に自動販売機に向かった。


 自動販売機に向かっている途中、茉桜に「来て」と言われついて行く。

 どこか寄りたい所があるみたいだ。


「ここ、入って」


 そこは無人の教室だった。

 今日は体育祭という事もあり、普段あまり使われていないような教室は周りに人もいなく、体育祭でうるさいはずの学校でも妙な静けさがある。


「どしたん?」


「ムカデ競争」


 え、もしかして茉桜は怒ってる?

 そういえばウチが謝ってた時、茉桜は何も言わんかったもん。


「怒ってる?」


「え?全然怒ってないわよ?どうしてかしら?」


「ムカデ競争って言ったから」


「ああ、安心して怒ってるわけじゃないの。ただ、ちょっとキスしたくなっちゃって」


「へ?」


 いきなり予想もしていなかった事を言うので変な声が出た。


「みんなか倒れた時、叶彩の手が私の胸を触っていたのよ」


「...」


「分かってたようね」


「まあ...柔らかかったし。でもあんなん事故やし!」


「じゃ、次は私の番よね?」


「えぇ...ここで?放課後じゃアカンの?」


「放課後は放課後よ」


「放課後もすんのかい!」


「明日の土曜日は打ち上げがあるみたいだし、今日いっぱいしておかないと。最近練習が多くて出来なかったでしょ?」


「たしかに」


「ふふ、叶彩もしたかったんでしょ?」


 茉桜は2人の時は結構話すんだな。

 エッチな話が多いけど。


 ゆっくりと茉桜が近づいてくる。


 ウチもゆっくりと下がり足にコツンと当たった椅子にそのまま腰掛ける。


 もう逃げ場はない。

 別に嫌...じゃないし、逃げないけど。


 足の上に乗る茉桜。

 ウチの太ももに茉桜の柔らかいお尻の感触が伝わってくる。肩に手を回してきて、逃がさないと言わんばかりにウチの体に密着してギュッと抱き寄せてくる。


「ふふ、やっとかわいい叶彩が見れるわね」


「うるさぃ...」


 久しぶりのキスをゆっくりと味わうように茉桜が軽いキスをしてくる。


 ウチも久しぶりの茉桜の柔らかい唇の感触を堪能する。


 茉桜の手はウチの体操服の中に入ってきて、背中を撫でる。


 段々とキスが激しくなってくる、簡単にウチの口の中に侵入してき茉桜の舌はウチの舌を絡めたり、舐め回す。


「んっ...ん」


 ぴちゃぴちゃと音を立てながらキスをし、茉桜の手はウチのブラのホックに手がかかった。


「え...ちょっと」


「今はあまり時間も無さそうだし、ちょっと触るだけで許してあげるわよ」


 そう言って簡単にブラのホックを外し、茉桜は立ち上がり「立って」と言ってきた。


 ウチは立ち上がり何をされるのか気になった。


 茉桜はウチの後ろにまわり後ろからウチの胸を揉みだした。


 この前のウチの中の熱いものが解放される感覚、またあれがくるのかなと思っていると。


「はい、今はこれで許してあげる」


 と言って茉桜は手を離した。


「え..?」


「ふふ、残念そうにしちゃって。かわいい。すっかり私のものになっちゃってるわね、叶彩」


「っ...!なってへんわ!」


 その後はジュースを買って帰り。


「おそ〜い!」と朱音に怒られ。紫織には「何かあったの?」と心配された。


 茉桜はクスクス笑っていた。


 午後からの尻尾取り、クラス対抗の競技などは特に見せ場もなく、今年の体育祭は終わりを迎えた。


 なんだかんだで、4人で競技に挑んだのはいい思い出になった。


 あと、お昼の時間の事も。


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