長く語り継がれた出雲の英雄記、ここにリバイバル

山中鹿之助幸盛。
この悲運の忠臣の名は真田幸村と同じく、武士の亀鑑、戦国の華として古くから軍談として語り継がれてきました。

智勇兼美、清廉実直の名将として英雄視されることの多い鹿之助ですが、本作ではあえてそうした既存のイメージを崩し、三国志に憧れる、青臭い若武者で、人間臭く魅力のあるキャラクターとして描かれています。

そんな彼が十勇士ならぬ、個性的な仲間たちを牽引し、織田毛利の二大国の思惑の狭間で七難八苦に抗った果てに待ち受ける結末とは……

比較的若い解釈をもとに構成された武将たちのキャラクター性が魅力の作品。
この作者さん特有の、シンプルながらもいきなり特大の変化球を投げつけてくるラストにも是非ともご注目ください。