第24話:不良


書いても書いても伝わらないと思っていた願いが、唐突に叶った。

アイツは少し赤くなった目で俺を見ると、今度は笑いながら直接あの言葉を言ってくれた。


ありがとうございます。


そう言われて、俺は自分でも分かるくらい顔が熱くなるのを感じると、やっとのことで一言だけ口にすることが出来た。


あぁ、ダセェな。俺。ガラじゃねぇ。

っとに、ガラじゃねぇよ。

何だよ、この気持ちは。何だよ、この感情は。知らねぇよ、こんなの。

おい、何で俺はこんなに緊張してんだ。何で、こんなに体が熱いんだ。


なぁ、俺は…………どうなってんだ。クソ……ガラじゃねぇにも……ほどがあんだろ………

けどまぁ、ガラじゃねぇけど


とりあえず、お前が目の前に居るから


それでいいか。

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