祖母の怒りポイント

 祖母を連れて、ショッピングモールに出かけた時のこと。

 今のスーパーやショッピングモールって、バーコードを読み込むのは店員さんだけど、支払いはセルフ。機械で「支払い方法」を選んで、自分で入金(もしくはカード支払い)するシステム。

 祖母はプリペイドカードを使って、支払いしようとした。


 ところがチャージ残高が足りなくて、

「チャージ・支払い」の欄が、

「チャージしてからカードで支払う」「残りを現金で支払う」

っていう新たな選択肢が出てきたために、滅茶苦茶混乱。

 なので私が代わりに「チャージしてカードを支払う」って押したんです。そしたらカードを1回読み込んだだけで、チャージと支払いが出来たのですが。


 おばあちゃん、






「前はそうじゃなかった!」


 って、おこ。

 おばあちゃんの記憶では、


①別の機械でカードにチャージ

②レジに行って使う


 っていう手順だったのに、レジで1度で済むとは何事か! と、ずーっとぷりぷり怒ってました。

 多分今回の私たちのように、「チャージ残高が足りなくてレジであたふたする」人間が多かったから出来た選択肢だと思うけれど……。


 後で母に話すと、







「おばあちゃんね……自分の断りなく社会が変わるのが嫌なんだって」

「老人って、記憶と違うことが起きるとすごく怒るんだって……」


 って言葉が返ってきた。後者はともかく前者がすげぇ理屈。





 でも、昔は現金渡して支払うだけで済んでいたのが、今は支払い方法まで多様化してしまって。

 レジ行ってお金払うっていう単純な作業が複雑な作業になってるな、って思います。

 こうも目まぐるしく変わっては、どんどん取り残されて外に出たく無くなるご老人、いるんじゃないかしら。


 スマホみたいに、「らくらく支払い」コースみたいな、単純化されたものが出来たらいいのに。あるいは一台でもいいから、レジ打ちの人が全部する奴が残っていたらいいのに。

 いつかのコンビニのおばあちゃんを思い出しながら、「もうちっと何か工夫できないかなあ」と思う今日この頃。



 そして祖母と別れた私と母は、その足で別のスーパーに向かったのだけど。

 そこはショッピングカートにレジの機械がついていて、自分たちで商品のバーコードを読み込む奴が出来ていた……。更に目まぐるしく変わってる……。

 バーコード読み込むのに四苦八苦したけど、楽しかったです(笑)。

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