嶋地凌

詞梳記(ことばとき)

R30621~

パンドラの筆跡

件の集合体の記憶が 藻が映えた時間軸に 絡まるは

  水母たちの引き算の都市。天の川を密かに

    その箱に透いたから 残照が酷く歯がゆく囁く


言伝の檸檬紅茶が 暈を増やす痕を滲ませている


  性別不詳の夜半

  血縁者の牢獄、

  土手に填める桜はまた 希望だった


若草色のフェルトペンがぼやぼや

 停止した白血球数の数だけ終の住処を建てる

 朧

 月は

  凷に被弾した魂を籠めて


 染み付いた遺伝子の徘徊 

  瞼の裏を破った時に来世にすげかえる

   ゴツゴツしたフシクレの展につらを咲かせるもの


       藁半紙なんて珍しいかぎりの 我ら

         、牢獄の民の咽頭に花と散った。

      とんだむかしを拡大鏡にうつした

        緑地は 流砂の肌を曝し

 浮き出る№を撫でるように 嘔吐く、


この手でだきあげるは

あなたは わたしなの


 腐った思い出をプレートに並べて、

 そして跡形もなく崩れ去る

と            すがすがしく目覚めるなら、

きは、                 悪くは無い。

    淫売を重ねる暗い道を照らす朱は

    終幕のように綴じられるとしても


「 瑞雲で有れば好いのに 」


  言い淀んだのは溶け残った琥珀糖で

  ずっとひかりは弧をえがいていたが

  ただ 夢のようだと思えばよかった


十三月に総て延べチギレユク、ひとかけの意味も知らずに


          未だしゃべり足りないひな鳥が

          新たな母を呑み込んでは

     また、とべずに啼いています


     そんなわざとらしい愛を熨せ

   ずっと奔らせていたい、我儘な時針に似せ

 おいおいと泣いている、さわりすらも訪トわずに

 栞の如く焼き尽くす旨、胡蝶のルーツを手繰る


思考は星状に受胎している 雲海の果て、その海路図の焦点


午前8:05 · 2021年6月21日

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る