第2話 たとえ偽物の世界でも



「偽物の世界を見つめているこの目から」


「どうして涙が出てくるのだろう」


 燃える世界に誓う

 失う事は怖くない

 そう言い聞かせながら


 だってここは全てが偽物


 失敗しても消えるだけ


「そう思っていたら、私達の方が滅びてしまった」


 本物の世界はアルバムと共に燃え尽きて

 記憶の底に沈んでいった


 いつかは取り戻せるはず

 あの懐かしい日々を

 そう言いながら私達はフラスコを振って

 偽物を生み出したのに


 同じ未来を見て肩を並べていたら

 何か違っていたのだろうか


 共に生きる未来 見てみたかった


 それが触れられない夢


「どちらも過酷な世界になってしまった」


「どちらも選んだのはいばらの道」


「でも、違う方法を選んだから。違う結果になった」


(さあ 頑張って)


(私達が貴方たちの背中を支えてあげるから)


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