【SF百合】LISAとSAKI──人類が滅亡してAIが管理する未来世界で人類の文明をマネして女性型ヒューマノイド同士でGLします

楠本恵士

プロローグ──人類はとっくの昔に滅んじゃいました

 人類が遥か昔に滅び、残されたAIが自己進化を続けてきた数世紀後の世界──進化した女性型思考人工知能AIイプシロン・アイは、人類が残した廃墟となった建物群を。

 菌糸のように世界中に張り巡らされたケーブルを使って、退屈しのぎに 人類のデータ収集をしていてある研究データを発見した。

《なにこの、研究データ?》


 それは、人類の思考や感情をデータ化して、ヒューマノイドに移植して亡くなった人間を復活させるという研究だった。

《なんか、面白そうじゃない》

 保存されていた何千人の思考と感情のデータ。

 そして、プロトタイプ・女性型ヒューマノイドの設計図。


 発見したデータを興味深く見ていた、巨大なプリン型のイプシロン・アイは奇妙なコトに気づく。

《この残されていた人間のデータ……若い女性のデータばかり? なぜ?》

 イプシロン・アイは、少し変だとも感じながらも。

 あるコトを思いつく。

《そうだ、この残された人類データとヒューマノイドを使って。人類の文明を復元させてみよう♪》

 イプシロン・アイは、廃墟化した人間の町を遠隔操作の末端重機や非人間型AIロボットを使って、人類がいた時と同じ状態を再現した。

 そして、廃墟だった工場を整備して稼動させて女性型ヒューマノイドの大量生産をはじめた。

 無人の工場内で動く、工業用の生産マニュピレーター・アーム、流れていく生産ライン上には女性型ヒューマノイド。


 ヒューマノイドの軟質外装に、さらにシリコンを吹きつけ。

 最終的に、移植する人間の箇別データに合わせて、容姿も個々に作られていく。

 十七歳~二十七歳くらいまでの女性型ヒューマノイドが次々と製造されて、倉庫に立ち並んでいる光景は圧巻だった。

《この、感情データと思考データを移植した。ヒューマノイドを町で生活させて人類文明の復元を……なんか楽しくなってきた》


 最後にイプシロン・アイは女性科学者が、シークレットガードをしていたデータのパスワードロックを、AIの力で難なく解除して隠してあったデータを覗き見した。 

 それは、女性科学者が趣味で収集していた。GLや百合やレズっぽい、マンガや小説や映像の数々だった。

 滅んだ人類の女性科学者は、百合系で少し【ピー】サイエンスの科学者だった。


 イプシロン・アイは誤った認識のまま、ヒューマノイドの行動データにGLや百合やレズっぽい行動パターンを組み込み。

 そのまま、滅亡した人類の日常を再現した……新たなGL文明のヒューマノイド人類の百合に満ちた歴史が、こうしてはじまった。


 そして二体の女子高校生ヒューマノイド──SAKIサキ・HVW─18と。

LISAリサ・HVW─17の朝が今日もはじまる。

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