第5話

キヨミナあの女が交代するまで約1時間……



私達は時々休憩を挟みながら、楽しく乗馬をして過ごしていました。



サーラがお花摘みに行っている間に、キヨミナあの女についての情報を聞きます。



「あの女は普通にアルバイトの募集で、来たそうです。

ここでは『ミーナ』と名乗っています。

男性客のリピーターを増やして、牧場の経営に貢献しているようで、オーナーは喜んでいました。」



こっそり様子を見に行った者によると、リピーターの男性客に『手の届くアイドル』として喜ばれているようですね。



本人もチヤホヤされて、喜んでいるようですし。



まぁそれなら良いかなぁ……



ところで君達、手に持ってるそれは何?

え?!『ミーナグッズ』?

そんなのまで売ってるの?大人気?



ところで、そろそろ彼方に行かないと【モグラン叩きゲーム】をする時間が無くなるのですが……



あの女が休憩に入ったから、今なら空いてる?

よし!早速着替えて行こう♪



と思っていたのに、サーラは『乗馬服の方が動き安いから、このままで……』と言ってきた。



似合っているので別に良いのですけど。



そして、いよいよやって来ました、【モグラン叩きゲーム場】



そこには所狭しと並べられた【モグラン叩きゲーム機】がありました。

開発したのは私達の前出のとは別の友人です。



銅貨を3枚入れると動く仕組みになっています。

得点に応じてプレゼントが貰えるのだとか。

おそらく、売り上げの何割りかは友人の懐に入るのでしょう。



そうしている間にもサーラは凄い勢いで点数を上げています。



パンパカパーン♪

ファンファーレが鳴った。



「エミール様♪やりましたわ!わたくし本日の最高得点を、上回りましたわよ!」



凄いじゃないですか♪

サーラにそんな才能があったなんて♪



「ケイト様のお店で特訓した甲斐がありましたわ♪」



はい!?



友人の妹のお店で特訓ですと?

どうやら猫カフェ通いは【モグラン叩きゲーム】をする為だったようです。



『貴族令嬢が人前で息を切らしながら【モグラン叩きゲーム】をやるのは恥ずかしいから。』という理由で、猫カフェを隠れ蓑にして女性客が通っているのだとか……



まったく…姉妹揃って商売が上手いですね。



あ、私の成績ですか?

運動神経は余り良い方ではないのででした。



サーラは『勇者※1シルバーのぬいぐるみ』を貰いました。

私は『勇者シルバーのペンケース』を貰う事にしました。

他に選び様が無かったのです。



プレゼントは『勇者シルバーグッズ』か『#ミーナ__※2__#グッズ》の2種類。

と言われたら『勇者シルバーグッズ』一択ですよね。



数日後、結局私はサーラに強請ねだられて、【モグラン叩きゲーム】(大銀貨※32枚)と新作の【ワニニパニックゲーム】(大銀貨2枚)共にアーケード版を買いました。



お小遣いでは買えないので、印税で……

少しくらいオマケしてくれても良いのに!!

その代わり、メンテナンス料はマケテくれるそうです。




------------------


※1

勇者シルバーのぬいぐるみは、当牧場の【モグラン叩きゲーム】で高得点を達成された方のみにプレゼントされるレア物です。

因みに実物大。



※2

ミーナグッズの特賞はミーナ(キヨミナ)の等身大の抱き枕。



※3


この世界の貨幣価値



白金貨   1枚1億円相当


大金貨   1枚1000万円相当


金貨    1枚100万円相当


大銀貨   1枚10万円相当


銀貨    1枚1万円相当


大銅貨   1枚1,000円相当


銅貨    1枚100円相当


石貨    1枚10円相当

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る