その契約の名前は、きっと何だっていい。二人が特別な絆で繋がるまでの物語

片や、最強の力を持つ魔女。
片や、何の力も持たない少年。
これは、そんな二人が一緒にいる意味を、互いに見つけていく物語です。

異世界ファンタジーで『おねショタ』タグがついていますが、人間関係の在り方という普遍のものを追求した作品だと思いました。
アーシェと正太、メインの二人のみならず、アーシェの店に訪れるお客さんのエピソードを通じて、さまざまな人間関係が描かれます。

永遠の愛だったり。純粋な恋だったり。
魂の友情だったり。歪な愛憎だったり。
どれ一つとして決まった形はありません。

誰との繋がりがなくても平気だったアーシェ。
誰かの指示通りにしか生きられなかった正太。
『ご主人様』と『使い魔』であった二人の契約関係が、一人と一人の、この二人だからこその関係へと変わっていく過程が、とても丁寧に綴られています。

そして、このラスト。
その後のことを何パターンも想像したくなりました。どれもアリ。どれもエモい。
ラストまで読み通してから来る情動の波がものすごく大きい、最高の読後感でした。
ぜひぜひ、冒頭からの彼らの関係の変遷を辿って、ラストシーンまで行き着いてください。最高の景色が見られますので!

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