レート戦なんて僕には関係ないよね (表)
今僕は廊下でただ一人佇んでいる
(緊張するなぁ…)
これから先生に呼ばれたら教室の中に入り、自己紹介をする。
だが僕にとってはめちゃくちゃ難易度が高い行動である
しかも僕はただ一人の無能力者だし…
(あぁ、胃が痛い)
「では斎藤武くん、入ってきてくれ」
(来た!)
「は、はい!」
ドアを開け、中に入り黒板の真ん中まで進む
うぅ、視線が痛い
「では自己紹介をしてくれるかな」
「えっと、斎藤武、16歳です。訳あって無能力者ですがこの学校に転校してきました、趣味はゲームと釣りです。これから1年間よろしくお願いします」
(…………)
無反応とか辛い!
「で、では君の席は窓側のあそこだ」
「わ、分かりました」
そう言われて大人しく席に着く、するとーーー
「武っていうのか、俺は隣の席の山田 春人って言うんだ、よろしくな!」
隣の席の人が話しかけてくれた、良かった…入学早々ぼっちかと思ったよ
そしてめちゃくちゃ明るい、眩しい…
「うん、改めていうと僕は斎藤武って言うんだ、よろしくね春人くん」
「おう、よろしくな!」
そう言ったところでチャイムがなり、先生が入ってきて授業が始まった
$ $ $ $ $
特に授業の内容については高度でスピードも速かったが、もともと成績が良かったこともあり、ついて行くことはできた
だがそれよりも問題なのはーーー
休み時間になっても誰一人して話しかけてこないということだ
その代わり、好奇心からだったり、懐疑からくる視線はなんとなく感じる
(やっぱり転校生でしかも無能力者だからだよなぁ)
特に何が起こるわけでもなく、授業は終わり放課後となった
「どうだ?授業はついていけたか?」
「うん、とりあえず大丈夫そうだよ」
「そうか、何か困ったことがあったらすぐ言ってくれよな」
優しい…
「うん、ありがとう」
そんなことを話しているとーー
「おい、お前。俺と勝負しろ!」
いきなり決闘、通称レート戦を挑まれた
配布された端末に 『承認/拒否』 と表示されるーー
もちろん速攻で拒否した、勝負になるわけない
「なっ、お前逃げるのか!」
「嫌だよ、勝負にすらならない」
無能力者になんで挑んでくるんだよ…
「はぁ、舐めてんじゃねえぞ!」
なんでキレるんだそこで
$ $ $ $ $
その後もいろんな奴らに勝負を挑まれたが全部拒否した、皆血気盛んすぎるだろう…
「貴方、私と勝負しなさい!」
はいはい、わかったわかった
端末に表示された、『拒否』を押す
『決闘が承認されました』
うん?、えっ、ちょっと待て僕は拒否を押したはず、、、
見ると何故かさっきまで『承認/拒否』だったのが、『拒否/承認』になっていた
(……………………)
ミスったあああああぁぁぁぁ!!!!!!
なんでいきなり逆になるんだ!陰湿すぎないか!?くそっ、やばい!
「あら、なかなか度胸があるじゃない、この私との決闘を受けるなんて」
ざわざわ… ざわざわ…
「あいつ、あの「不可視の弾丸」との決闘を受けるなんて」
「雑魚に興味はねえってことか」
なんかやばそうな相手なんですが!?勝てるわけがないよぉ!
「よし、いくわよ」
もう何も考えないようにしよう
その子に連れられてきたのは決闘場、特に障害物になるようなものもなく、ただの広い部屋
本来色々な舞台があるみたいだが今日はここしか空いてなかったみたいだ、まぁ僕にはどこだろうと関係ないけど…
幸い最新鋭の技術で致命傷の傷を受けても気絶して外に放り出されるだけみたいて、怪我の類も決闘が終わった瞬間に治るみたいだし…
制服を脱ぎ、決闘専用の服に着替える
「さあ、始めましょうか。ハンデとしてそこに用意されてる武器は使って良いわよ」
横を見るとありとあらゆる種類の武器が揃っていた
まぁどうやって使うのかすらわからない武器ばっかだし、持ってもどうせ負けるだろう
「良いよ、武器なんて使うまでもない」
「っ!、良いわ叩きのめしてあげる」
そしてカウントダウンが始まる 3・2・1 スタート!
(あぁ、もうヤケクソだ)
離れた相手に向かって全速力で走る、せめて一発ぐらい…
とその瞬間ーーー
「ヘッ?」
思いっきり転んだ、前に倒れている中、あぁ終わったななんて思っていたら、勢いがついたせいでそのまま前に一回転し、体育の時どんなに頑張っても成功しなかった前宙が成功した
そして二本足で着地する
(痛ったぁ!)
前宙する時何かが足のかかとに当たったみたいで、その衝撃でめちゃくちゃ足が痛い、まるで骨折したような痛みだ
って、今決闘の最中だった!相手は…?
『勝者 斎藤武』
アナウンスが鳴り響く、見ると相手が気絶して外で倒れている
「へ?」
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