第18話 貴族としてのプライド

(な、なんで扉が無いんだ! ………やっぱり夢だったのか?)


――心で葛藤する中、一つの事を思いついた。



 扉のある場所をたたいてみても、【土魔法】のアースブレッドを打ち込んでもキズ一つ付かなかった。


 試しにそれ以外の壁に当ててみると若干削れていた。


 そう考えるうちに、ここには何かあるという考えに達した。


 通路の真ん前で考え込んでも仕方がない。


 そう思い近くの倉庫へ入る事にした。


 【どうも強力な神器の為、普段は封印を施されてるらしい。また素質が無いものには現れないようだ】


 父上は、そう言っていた。


 どこで歪曲したのかは分からないが、貴族というのは時としてプライドの為に偽称することも珍しくない。


(………つまり、素質が無いというのはブラフで、本当は必要最低限のレベルに達成していないといけない、ということになる)


 夢を信じるなら、まず自身の能力を上げるべきだと考えるのが最優先だと思うのであった。


 薄暗い倉庫にある木箱の上に腰掛け考えている。



 ――しかし、あの夢の出来事が本当とは信じられないのも事実。


 だが、この先の3年後までの記憶を持ってるのもまた、紛れもない事実なのだ。


(…………まずやるべきことは、自身の能力アップが最優先という事、それとどの段階でここの扉の先に入れるようになるかを確かめる必要がある。)



 ――ハルトは考えがまとまったところで屋敷に戻るのであった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る