第20話 3年後(セシルの場合)

レイナがライナとしてカレディア王国の王都で活動している頃、セシルはシリウス=ロックバーグは同じカレディア王国にある農業都市ハイゼンで活動していた。

カレディア王国は「レアバーン」の世界で唯一の中立国家で現国王であるアレス=ベクトールは人望がある国王として有名である。

カレディアには中心に王都カレディアがあり、東西南北に主要都市がある。

北にあるガートナーは迷宮が多くある街で冒険者が多数、ガートナーの迷宮で活動している。

東にあるアンデルセンは畜産で有名でここで育てた家畜は南にある貿易都市ラインバッハに送られて他国に送られて行くのであった。

そして西にあるハイゼンは野菜や果物を中心に育てて同じ様にラインバッハに送られて他国へ出荷するのであった。

シリウスは出荷する野菜や果物を送り届ける商人の護衛を主な仕事をして、たまにハイゼンに襲ってくる魔物の討伐をして生計を立てていた。


「シリウスさん」


「?」


「そろそろ街に戻りませんか?」

シリウスに一組の冒険者パーティがやって来た。


「そうですね? 一応ここの魔物は襲って来ないから大丈夫だと思うので帰りましょうか? ジンさん」


「じゃあ。帰る準備をしますね? ロマンとベリンダは馬車の用意と俺とスレインは魔物から魔石を取って残りは処分とするから」


「「「分かった」」」

ジン達はそう言って分かれて準備をして行くのであった。


シリウスはたまに組んでいる冒険者パーティ「烈火の嵐」と一緒にハイゼンから馬車で2時間かかるローム森林に魔物討伐をしていた。

「烈火の嵐」とはリーダーのジンが率いるBランク冒険者が集まって作ったパーティである。

リーダーのジンは剣士で責任感がある真面目な男で、武闘家のスレインと神官ベリンダと魔法使いのロマンと一緒に行動していた。


「ねえ、貴方。帰ったら家の片づけしないと行けないよ? あの子達が家で待っているからね?」

ベリンダがジンに話をすると


「分かったって。あいつらは....ヤンチャだからな。家に帰ってから大変だ。スレインの所は良いよな。しっかりしているメロンちゃんがいるからな?」


「そうだろう。メロンは俺の可愛い娘だからしかも、ロマンよりしっかりしているぞ?」


「スレイン。どう言う意味なのかな?」


「お前がズボラだって言っている!」


「何言っているのよ! あんたも同じでしょう!」


「あたたたた。助けてくれい。ジン」


「「助けない」」

ジンとベリンダは揃って答えた。


「シリウス~」


「まあまあ。早く帰って、子供達に会いたいのでしょうが?」


「「「「だな」」」」

全員笑いながら帰る支度をして行く。

ちなみにジンとベリンダは夫婦で子供が二人いる。

しかも、両方ともヤンチャであった。

スレインとロマンも夫婦で一人娘であるメロンがいる。

メロンはしっかり者で以外とスレインとロマンが頭が上がらないのであった。


こうして全員、ハイゼンに戻ってギルドに報告した後その場で解散となった。


「ようやく終わった.....でもな.....この後が....」


「貴方?」


「あいつらのお守があるとは....少しテンションが下がる」


「まあまあ。行きますよ。あの子達が待っているからね?」


「はあ。それじゃあ、シリウス」


「はい。ジンさん。ベリンダさん」


「こっちもメロンの所に行くとするか? ロマン。メロンにお菓子を買ったか?」


「もち。5人分買ったわ」


「ロマンさん。多くない?」


「シー君。メロンは3人分をペロリだからね?」


「.....大変ですね.....」


「まあ。あの子はしっかりしているから私達の財務大臣なのよねえ....」


「それはお前が酔っぱらってメロンが「私がお金の管理します」って言っているからだろうが!」


「そう言うあんたも「パパも金使い荒いから私が家族の金庫番だよ」って言っていつもあの子に必要な物を紙に書いて提出しているのじゃないの?」


「はあ....そう言う事で俺達も帰るわ」


「頑張って下さい.....」

シリウスは苦笑いしながら「烈火の嵐」のメンバー達と別れた。


「さて。俺も家に帰らないとな....に土産も買わないと暴れるからな?」

シリウスは家に帰る途中、ケーキを10人分を買っていった。

シリウスの家はハイゼンから出て10キロ離れた小さな村にある。

シリウスはハイゼンを出て直ぐに転移魔法で家の前に到着した。


「ロン。今帰ったぞ」


『わあい。ご主人様』

家から銀色に犬が出て来てシリウスに抱き着いた。


「分かった。分かった。これお前が好きな「モンブラン」だよ」


『ありがとう。ご主人様』

ロンはシリウスが買ったケーキを食べていた。

そして、家の中から老夫婦が出てきた。


「シリウスさん。お帰りなさい」


「ただいま。ヘンリー爺さん。それとエルダー婆さん」


「シリウス。いつもながら時間通りに帰って来るのう」


「それより、夕ご飯でもしようよ」


「そうじゃな? 婆さん」


「そうじゃね。シリウスやご飯にいましょう」

シリウス達は中に入って夕ご飯を食べるのであった。


今、シリウスがいる村はコメット村と言い主に小麦中心に栽培している村で先程のヘンリーとエルダーの老夫婦はこの村の村長の両親でシリウスは老夫婦の家に居候として生活をしていた。

銀色の犬のロンは2年前にミストバーン魔法国で助けた犬であるのだが、本当は銀狼フェンリルなのを隠しているのである。

ロンとシリウスは旧ミッドベルト以外の国すべてを廻って旅をしていたのだが、カレディアに来てハイゼンでこのコメット村で大量の魔物が襲って来たのをシリウスが全滅させたのをきっかけでこの村にお世話になって今に至るのであった。


夕食後、自室に戻ったシリウスは自分のステータスの確認をしていた。


名前 セシル=ガイアス 男18歳 180センチ 体重70キロ

レベル420 職業:魔銃士


HP980000  MP450000

攻撃S・防御S・器用S・体力S・魔法力B・俊敏S・知性A・運B


耐性 魔法防御B・物理防御S・全異常耐性無効

スキル 道具箱アイテムボックス・錬金・鍛冶・鑑定

剣術S・全魔法属性・魔法攻撃B・格闘S・暗殺S・身体強化・魔弾

二刀流・御剣流免許皆伝

称号 ルミナスの使徒.....創造神ルナミスの寵愛を受けた人物。


「結構レベル上がったな。この腕輪を付けるとどうなるのか確認」


名前 シリウス=ロックバーグ 年齢18歳 身長180センチ 体重70キロ


レベル42 職業:剣士


HP9800 MP4500


「レベルと体力は10分の1になっている。だけど能力値はそのままだけど。「鑑定」を持っている人やギルドでの鑑定ならバレないから良いか」


この世界では自分のステータスは自分でしかわからず、「鑑定」出来る人でも名前とレベルと職業と体力しか表示されない。

シリウスの腕輪に関しては自分の体力と能力を10%~100%まで変化出来る腕輪である為、一応対戦相手に合わせた能力で戦っていたのであった。


シリウスが横になっているとハンリーがシリウスに何かを渡そうとして入って来た。


「シリウス。お前さんに手紙が来ている」


「ありがとう。ハンリー爺さん」

シリウスは手紙の中身を見た。


「シリウス。誰からの手紙かね?」


「王都のギルドマスターから緊急依頼の手紙だよ。内容は.....東の街アンデルセンから50キロにある森「ベルタ大森林」に魔物が活発になっているので調査して欲しいと書かれている。明日にでもアンデルセンに向うよ」


「アンデルセンまで結構かかるはずであるが、シリウスならすぐだろうな」


「ああ。此処から転移してアンデルセンに行くから大丈夫だ」


「そうか。気を付けるのじゃ」


「ああ。分かったよ。爺さん」

ヘンリーは部屋を後にした。


「アンデルセンは確か2年前にギルドマスターが代わったはずだったよな? 一回顔を出して内容を聞くしかないか 」

シリウスは明日の為に寝るのであった。



~作者より~

いよいよ、エデンとの戦いが始まります。

お楽しみして下さい

小説初心者なので文章の書き方も勉強中なのでそこは気にせず読んで下さい



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る