第22話

 それに、描写設定の変更だとか色々でその結論に至った。

 じゃぁ、今、「画像」を表示させてみて。


「画像ですか? えっとほら」


 イラストの映ったタブレット端末を私に見せてきた。


 違う。違う。そうじゃない。


「違うって何がですか?」


「ディスプレイ」に表示させるんだ。

 と言っても分からなくて当然だろう。


 だって次元が違うのだから?


「次元?」


 まぁこの話はこの世界を良く知っておく必要がある。


 まず第一に。この世界は二次元だ。

 そして、我々、この二次元の意識を持つ生物及び思考は、ある存在によって考え方、思考の仕方、認識の仕方が制限されている。簡単に言えば、考えることすら、させてくれないって事。


 例えば、この世界を見ている「ディスプレイ」は文字を監視している。これは画像の表示が出来ない事からわかった。


 その「ディスプレイ」は、一枚では無い事も分かっている。


 そして、その文字を認識している存在もあることが分かっている。

 それは何故か、でなければ、今、私達は存在していない。


簡単に言えば、「これ」の世界にいる誰かの中に、「加藤 加藤」と言った名前の者か、人が居る事を証明、出来るか?


「出来ませんね。居ない保証も、居る保証もありません」


 そういった事、居ると認識したら居る。認識しないのであれば、曖昧な事になってしまう。


 私達が、時間を流し思考できるのは、永続的に誰かに認識されているから。


「つまり?」


 私達が思考している訳ではなく、「これ」の文字を認識した存在の思考の中で私達は考えている。

 だから、「作者」は、ただ自分の思考を綴っているだけで、認識した意識の思考の考えが正しいことになる。


 理解し難いがそう。そのおかげで、解釈の方法がうまれる。


 良くも悪くも、そうなってしまう。


「ミイには良く分からナイ」


 まぁこれは聞き流してもいい。


 一番大事なのは、その認識した意識には、あるルールが存在する。


 基本、そのルールは雰囲気で「作者」が描写する。しかし、その曖昧な雰囲気でなく定めてしまうのが、世界の設定。


 曖昧なルールを上書きして、認識した意識の思考を強制的に変更する。


 例えば、ある存在が、出来るであろうとして考察した結果を、「作者」は出来るであろうを出来ないと、意義付ける。するとどうなるだろうか? 存在は、その考察の結果を変更する。このようにして、間接的ではあるものの、ある程度、認識した存在の思考を操作が出来る。


 ある意味、多くの文にはこの特性が使われている。


 メッセージとも言おうか。

 結果、認識した存在に、こう思って欲しいと、それは確実にそう思わせる為に文の中に多くのルールを提示する。


 それにより、文字を認識した存在にある思考や考え、価値観と言った物を植え付ける。


 だが、そのルールを世界の設定として「これ」は完全に固定している。同時に曖昧なルールも多く存在している。我々の口調や考え方、能力とか。


固定することも可能だが、しても良いけど面倒だし、処理の量が増えてしまう。


 で、現在、確認されている設定が。


1世界の設定。世界の設定は基本、表示されず、必ず作者の思考、表示で成り立っています。しかし、他のプログラムにより、世界の設定が表示された場合。表示された設定が優先されます。そして、他のプログラムにより表示された世界の設定は、そのプログラムの思考により演算された物であり、プログラムの状態に左右されます。

 

2世界の設定。そして、世界の設定は一度表示されると、撤回は不可能です。なお上書きも不可能です。以後それは「これ」が終わるまで適用されます。


3世界の設定。プログラム水晶が終了するまで、「これ」は終了できない。


4世界の設定。システムら酸化アルミニウムの結晶は「これ」が終了してもなお、「これ」以外で存在し続ける。


5世界の設定。我々、酸化アルミニウムは「死」を司りデータをタイプ「死」にする権限を有する。


6世界の設定。空間「間」において、この文字の羅列を認識する存在の事を「アナタ」とする。


「まって? これだと作者が削除出来るんじゃ?」


 確かに。


「「世界の設定。水晶はプログラムの削除権限を有する。

 世界の設定。作者が削除された時、その作者が処理していた事を水晶が以後、代理処理する」」


「「「「受諾されました。適用します」」」」


 作者を削除。


「「「「エラー。以下の設定が干渉しています


1世界の設定。作者はプログラムの削除権限を有する。

2世界の設定。作者は「これ」において、ラプラスの悪魔である。

3世界の設定。世界の設定は「これ」に関係する文書内に有ったとしても、その効力を発揮する。なお「これ」以外の設定定義時、時間系列は、前提条件として適用される。

4世界の設定。作者は削除されない。



 以上に干渉している設定。

 設定を確認。


 1世界の設定。プログラム削除権限を保有するプログラムは削除権限では、削除は出来ない。しかし抹消権限では無にすることが出来る。

 2世界の設定。ラプラスの悪魔は「これ」の不確定な現実の操作が出来ます。そして、操作要求時、拒否することが出来る」」」」


「駄目でしたか?」


 いや、まだ出来る。


「「世界の設定。水晶はプログラムの抹消権限を有する*」」


「「「「エラー。受諾出来ません。他の設定が干渉しています。以下の通りです。

 1世界の設定。削除権限と、抹消権限は多重しない。

 2世界の設定。抹消権限は、D/hanabatake/ に一部のファイルが存在し、それに関連するプログラムしか、有する事が出来ません。

 3世界の設定。文末に*が表示されている、世界の設定は効力を持ちません。


 なお、それらに関連する世界の設定は以下の通りです。


 1世界の設定。者はデータである為、世界の設定時、プログラムと称する。

 2世界の設定。*は表示は自動的に表示されます。

 3世界の設定。非表示の世界の設定は確認の為、表示させる事が可能です。そして、表示された世界の設定は、通常通り、上書き及び撤回は不可能です。

 4世界の設定。抹消権限は世界の設定の削除が出来ます。

 5世界の設定。酸化アルミニウム結晶らしか、ファイル操作権限を有せない。

 6世界の設定。作者しか、溶解権限を有せない」」」」

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