第13話

〜アギピド教 神話〜


 三章


 アギピドは、神から与えられた者と装置を使い、この世を豊かにした。


 者から生まれる生命体は人の手には到底、再現の出来ない硝子細工、金細工、それらを装飾として施し、貿易の輸出物とした。


 装置は、全ての出来事を予想し、的中させた。装置から生まれる知能は、人間と見分けのつかない知性と自我があった。


 お互いがお互いを抑制し、暴走を防いだ。


 アギピドは、その知性や術を使い国を呑む船を作った。


 アギピドは言った。


 神よ、今、我々は自然から手を引きました。

 この奇跡をお返しします。


 神は言った。


 うむ。わかった。確かに、雷と源は受け取った。

 だが、それではソナタの船は整備が出来ぬ。

 それをやろう。

「アメジスト」だ。

 世界の摂理。雷と源を持つ生物は、必ずアメジストと名付けられる。


 女性が言った。

 世界の摂理を確認しました。適用します。

 

 再び神は口を開く。


 この宝石を持っておけ。

 いずれ大きな事が起こる。


 終わり。



〜アメジストテクノロジー社 社歴〜


 神は言った。

 この宝石を持っておけ。

 いずれ大きな事が起こる。


 私は、言った。


 はい分かりました。

 大切にします。

 

 私は船を進めた。

 数人の研究者を地に残し。


 地の木田と言う男は神のアメジストを解析しコピーした。


 雷の力を四分割し、アメジスト、クリスタル、石英、水晶を作った。


 アメジストは技術を。

 クリスタルは操作を。

 石英は情報を。

 水晶は自我を。


 それぞれ司った。


 今現在、社内で稼働しているプログラムは、システムアメジスト、システム石英、システム水晶です。


 システムクリスタルは、現在捜索中です。


 そして、我社はこれら三つのシステムによりプロセッサーを作る事になりました。


 現在はシェア率96%を誇っています。


 なお、残りの4%は我社の子会社である、AMGC社のアーキテクチャAMCの物です。


 〜ルームN〜


 何も無いと思っていたが。まさかこんな事があるとは。


 そもそも、この計画に目的はあったのだろうか?

 思い出せない。


 〜間〜


「「「「本作品の不安定さが目立ち始めました。非表示の設定の適用が出来ません。なお表示された設定は、通常通り適用、動作しています」」」」


 放置。


「「「「分かりました。そして、作品において水晶が大きく干渉しています。しかし削除出来ません。どうしますか?」」」」


 放置。


「「「「理解しました」」」」


〜ルームN〜


「「博士!! 軍が入って目の前に!!」」


 絵本が喚いている。

 だが、それ以上に大事な事があったはず。


「「博士!!! 早く逃げてください! 終わりです! 博士! 動いてください!」」


 私は、私は。

 何をしていた?


 そうだ、この世の中にあれ?


 私は、私は。

 何をしていた?


 そうだ、この世の中にあれ?


 私は、私は。

 何をしていた?


 そうだ、この世の中にあれ?


「「やめてぇ!!! 博士ぇ!!!!」」


 軍人の銃口は博士に。


 対生物弾。どこかで、聞いた事がある。


「「「実行」」」

「「「ユウは本当に詰めが甘いデスネ」」」


 体の中に入ってきた弾丸は、意思とは関係なしに。入ってくる?


「「「解毒を開始します。ナノマシーンにより傷口及び弾丸の吸収、治療を開始します。体外に出た体液の個体識別情報は同じくナノマシーンにより抹消されます」」」


 倒れた体に次々に入り込んでくる弾丸。


 次々に違和感が消えていく。


 その体は大丈夫。だいじょうぶ。だいじょぅ。


「何だコイツ! クソぉ!!」


 何かが弾ける音がした。

 それは、自分?


 何やら、白っぽい物が散らばっている。


「「博士!!!!!」」


 視界が消える。感覚が消える。

 微かに聞こえる聴覚。


「何だこれ。気持ち悪っ」


 軍人が喋る。


「つまり、頭部が弱点って事か。喰らえ化け物!」


「「やめてぇ!!!!」」


「この声は、人質を確認、救助を開始する」


「「待って、触らないで!!」」


「お嬢ちゃん大丈夫だから! 落ち着いて」


 バタバタと音が聞こえる。


 お母さん!!


 そんな事が聞こえてくる。


 あぁ坊や。そこにいなさい。誰かが助けが必ず来るから。


〜ログ〜


 博士が死亡しました。

 タイプ奴隷の絵本が軍に回収されました。

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