第9話

〜アメジストテクノロジー本社 客間〜


 はい?

 ふむふむ。そういうことですか。

 アメジストが、軍人を殺めたと。

 なるほど。


「「システム石英から通知。博士の暴走を確認。排除しますか?」」


「「「面白い報告ですね。守さん」」」


 あぁそうですね。母さん。

 

「「「ちょっとその呼び方やめてもらえる?」」」


 すまんすまん。


 まぁ博士が暴走した報告だが、あの者は、タイプ奴隷だから大丈夫だろう。


「「「本当にそれでいいの? 下手したら博士を失うかもしれないのよ?」」」


 ああ、大丈夫だろう。それはカノジョ自身でどうにかするだろう。

 どうやら権限主を全員掌握したっぽいしな。


 「「「へぇーでもそれって、あまりよろしくないような気がするけど、大丈夫なの?」」」


 それもカノジョ自身でどうにかするだろう。


 ところでだ。石英、実験台アメジストの調子はどうだ。


「「はい、開発した、ナノマシンは通常通り稼働してます。現在報告されているエラー一覧を表示しますか?」」


 あぁ。


「「ファームウェアアップデートエラー

 ファームウェアの独自進化を確認。これは、こちら側で制御できる物ではないです。宿主の特性を理解し自動で生体エラーを解消した故に発生したエラーです。


 相性エラー

 システム、二酸化ケイ素との相性問題の発生を確認。

 システム、一酸化二水素との相性問題の発生を確認。

 システム、学校との相性問題の発生を確認。


 以上が実行されている生体で、自己修復機能が使用不可。

 一時間前に、このエラーは解消したようです。」」


 順調のようだな。

 

「「「そうですね。でも守さん。これを自身に入れようとはしないのですか?」」」


 入れようとは思わないな。だって私のシステムは、壊れているからな。


「「「でも、そのようなダメージは確認されていないですよ」」」


 母さん。アナタが居る時点で壊れているんだよ。


「「「そうね」」」


〜アギピド教 神話〜


 一章


 小鳥は泣く。この世の物語を知ってはその微かな涙をを落とす。


 変化を求める神。


 変化を拒む人間。


 自然を望む人。


 破壊を求む神。

 

 この世の中は、現実ではない。しかし、あたかも現実であるように見せる世界。


 神の手。


 その中からは逃れられない。


 そうアギピド・ルセヌは唱えました。


 アギピドは言いました。


 万物は想像。重なった世界。夢は現実に。現実は夢に。


 見ている物。感じれる物。それは全てでは無い。


 耳を傾ける。そう世界の片隅に。


 王は感激しました。


 戦争が起きます。


 熱い熱い戦争です。


 その姿を壊し崩壊させる壷。


 人は影になり、夢になります。


 王は感謝した。


 王は言った。


 人々の考えをまとめ、世界から争いをなくそう。


 世界の神は、顔を出した。


 王を殺そうとした。


 アギピドは言った。


 ああ、世界の神よ。確かに我々は愚かで、無知でございます。しかし、世界に手を出す化け物ではありません。我々はいずれ、自身の手で自身を生かす事を、約束しましょう。たとえ何時間何年と時を流れようとも、この事を忘れはしません。

 我々が自然との関係を断つまで今しばらくお待ち下さい。

 そして、その為には王が必要です。どうか、その手をお下げください。


 世界の神は言った。

 

 なるほど。分かった。だが、それには、少々知恵が不足しておる。


 神は、雷と源を国に与えた。


 アギピズは言いました。


 感謝致します。

 世界の主様。


 アギピズは唱えました。


 世界は止まる。そして再開する。


 世界が消されたとき、我々は気づかないと。


 無かった物になる。


 と。



 二章



 神に渡された、雷、源は、姿を変え世界から、戦争を無くした。


 雷は、緑色の板に。

 源は、女性の姿に。


 それらは崇められる。


 読み込みエラー。

 これより以下の内容は焼失し無い物とされています。

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