花のような死を君にあげたい

刑罰では

せめて苦しまぬように

瞬時に死ねるものを用いる


君にはそのように死んでほしくない

君には不釣り合いだからだ

君には

花のような死が似合う


花は自らを誇り

常にしたたかに笑う

末端まで青い意識を

染め上げながら


そしていつしか

茶色い老いが意識を侵食する

食べこぼした汚れのように

いつまでもこびりつく


後戻りはできない

脳裏だけが青いまま

やがて全てが干からびる

あの日の笑みを搾り取るように


君は花ほどのものでもないが

君の骨が土にうずもれるさま

誰に見向きもされなくなるまで

君は半生を死とともに生きろ

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