隠される空虚
盲目よ、空虚よ、どうか僕の眼前からいなくなってくれ。
僕の頭を齧りとって忘れさせるのをやめてくれ。
僕の顔にとりついて、僕の代わりに喋らないでくれ。
僕はもう自分がわからない。
なにが自分のしたいことか、
なにを自分は欲しているか。
うわべといっても中身もまたないのだ。
だからといって、別段僕は、
中身があればとは思わない。
中身をしっかり持つ人間は、
たんぱく質が固まっただけだ。
願うのは、
僕の卑しい仮面をあっさりと剥ぎ取って、
ただ深い空虚の沼を露わにしてくれること。
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