国語不適合者 (またの名を 美学論者)

僕は 本を読むのが下手くそで

なにしろええ、下手くそです

事実なんぞには目もくれず

ただ風と 香りに酔いしれる


現代文ってありますでしょう

あれは僕にはできません

あれは事実を見なけあいけない

変わらぬことだけ知らにやいけない


「採点するのとお話するのじゃ

勝手がちがうのヨ あなた」

それじゃ僕にはできません

僕には到底、難しい


僕に見えるのはただ、風と

香りと花と退廃と

死と運命のヴィジョンであって

事実なんかじゃないのです


さよなら さよなら 先生

僕はしんどくなりました

もうどこへも歩けません

薄暗がりのなかにいます


どうかこの姿見えるなら

なにか返事をくださいな

僕が僕であるために

自分で選んだはなむけに

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