第7話

私達航空兵は、抜群の視力を誇る。

どのくらいかというと、私の場合体調次第だが、集中すれば昼間でも星が見えるレベルだ。

そんな私達が頭をぐるぐる動かして見張りを行えば、かなり遠方まで、広範囲を見張ることができる。


私も敵と闘いたい、と高まる意識を視力にのせて周囲を見張るが、味方機が乱舞するのみで特異なものは発見できなかった。


そうすると、今度は海面すれすれに、まるで飛行機ではなく、高速艇のように水面を波立たせながら敵艦に高速接近する雷撃隊が見えた。


敵艦は炎上して黒煙をあげており、乗員がわらわらと動いているのが見えるが、その動きは混乱している様子で、今まさに凄まじい破壊力を秘めた雷撃隊が接近していることなど、まるで気付いていないようだった。

雷撃隊はそれぞれの目標を定め、最適な角度を選び、高速で、かつギリギリまで高度を下げて突撃する。


急降下爆撃隊もそうだが、あいつらは本当に凄い。

雷撃隊から溢れるオーラは、鮮やかな青色のはずの海面が、凄まじい気迫と殺気で、雷撃隊と敵艦の間の海面が赤黒色に見えた気がした。


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