ー衝ー

四月朔日 祭

プロローグは吐息の長さ。

人生を何に喩えればいいのだろう。旅路と答える人もいれば「死ぬために消化するロスタイム」と皮肉を言う人もいる。僕は人生を惑星(ほし)の運行に喩えよう。一周回ってキッチリお終い。神様の計らいで二周目三周目がある人がいたっていい。


人生最大のイベントは誰かが「衝の位置」に入ることだ。「衝」とは、外惑星が太陽の正反対にいるタイミングのこと。その惑星が地球から見て最も輝く時で、惑星(ほし)を愛でるに最高の時だろう。


衝を表す記号は ☍…


僕の人生の衝の位置にいた女の子の名前は「渚」と言う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る