暗闇

窓を閉めて暗い部屋を眺めていると、何だか自分が惨めに思えた。


外では何かお説教が始まっているようだ。


少女の歳は彼と同じ頃だろう。


顔は自分の方が美しい。


それでも彼女の方がずっと、彼にはお似合いだった。


それに年はきっと自分の方が、彼らよりもずっと上だ。


それに太夫とは言え、とっくの昔に汚れている。


きっと少女の説教も遊女に騙されているだのなんだのと彼に好き勝手吹き込んでいるのだろう。


この頃手も触れなかった煙管に触れて、葉も入れてないのに口にゆっくり含んでみた。


あぁ何でこうまで寂しいのか。胸が熱くもないのに冷たく脈打っている。


禿が来るまで少し時間がある。着物の合わせをぎゅっと掴んで葉のない煙管をふかして少し時間を潰してみよう。太夫はまた窓を開けなくなった。

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