バーテンに癒されてみませんか?

水天使かくと

第1話 失恋には元気のスパイスを!

ある夜、私はとあるバーにいた…

彼氏といっしょに…


入り口から遠い奥側のカウンター席で2人で座っている。


「ねぇ…どうして浮気なんか…。」


「はぁ!理由なんかねぇよ!うるせぇなぁ…。」



そう…私たちはみてのとおり別れる寸前のカップルだ…。


彼氏の浮気がわかり今こうしてこれからのことを模索しようと彼氏と話している…。


なんで浮気がわかったかって…?

彼氏はいつもあからさまに女の人とやりとりをしていて隠そうとはしない…。


私も彼をとがめられない…。

それは私が彼を一方的に好きになってしまったから…。

彼に別れを切り出されるのが怖かったから…。


つきあってほしい…と告白したのだって私のほう…。


私たちはとりあえずつきあうことになった…。

ほぼ体の関係だけで彼に私への気持ちなんてなかった…


それでも…浮気されても…

彼が好きだった…今夜までは…



「ねぇ…私のどこがだめだった?これからちゃんと直すから…だから…もう1度帰ってきて…。」


「いいかげんにしろよ!そうゆうのがうざい!お前…重てぇんだよ!」


「ごめん…ごめんなさい…だから…。」



「別れる…悪いけどもうおしまい…じゃ。」


と彼氏は足早に店からでていった…。


いつかはこんな日がくるんじゃないかって…どこかでわかってた…。



私は昔から地味で内気な子だった。

好きになってもらうことなんてなくいつも自分から好きになってしまう…。


大人になってもそれは変わらない。

ただ、体の発育は昔から良いほうで地味だけど体だけの関係…になってしまうのはそういうことみたい…。


そして気持ちが重たい…といつもふられてしまう…。


なぜか不思議と涙はでなかった…。

どこかで望んでいたから…?



「はい…。」


と突然私の目の前にそっとカクテルが置かれた…。


「えっ?私頼んでませんけど…。」


1人のバーテンダーさんが私の目の前に…。


「いいんですよ…これは私からです…。」


サラサラした黒髪…落ち着いた顔立ち…スラリとした長身の素敵な人…。

シックなモノトーンの制服もその容姿をさらに引き立たせている!



「ライムの酸味と甘く口当たりのいい冷たいカクテルです…女性には好まれますよ!」


「ありがとうございます!」


真っ白くて雪のような雲のような不思議なカクテル!


「冷たくておいしい!」


「それはよかったです!」


とバーテンダーさんがさわやかな笑顔で笑いかけてくれた!


私は少し…元気がでたような気がした…。

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