第23話 メイドside

 メイドの朝は早いです。


 昨日は和樹様のお友達が泊まっていましたので、今日は4人分朝御飯を作ります。


 6時半に起きて和樹様の寝顔を拝見し、その後は顔を洗って歯を磨きます。


 その後はお米を4合分洗って炊飯器にセットして、ご飯が炊けるのを待ちます。


 今日は学校はお休みなので、7時半に和樹様を起こしに行きます。その時も和樹様の寝顔を時間になるまで見ています。


(はぁ……和樹様の寝顔もカッコいいですね……)


 普段は前髪で目が隠れているので皆は知らないですが、髪を上げるとその下はとてもカッコいいお顔があります。


 私は和樹様を起こす前にこのお顔を見るのが日課です。


 7時半になったので、和樹様とお友達を起こします。


「和樹様、おはようございます」


「んっ……おはようリアラ」


 その時のまだ眠たそうにしながらも私の名前を呼んでくださるのがとても愛おしいです。


 和樹様とお友達を起こした後は、朝食を作ります。鮭の切り身があるので、今日の朝食は鮭の切り身と出汁巻き卵とお味噌汁とお漬物にします。


 そして皆さんが歯を磨き終わる頃に朝食を完成させておきます。


「「「「いただきます」」」」


 味はどうだろうと少し不安に思いますが、皆さんが美味しそうに食べてくれるので作った甲斐があります。


 朝食も食べ終わり、休憩して9時頃に友樹さんと茜さんは帰っていきました。


 和樹様はお友達が帰った後は勉学に励みます。この時の集中している和樹様のお顔もとても素敵です。


 12時になったので昼食を作ります。今日は私の気まぐれでパスタにしました。と言っても和樹様はどんな料理でも美味しそうに食べてくださるので問題ありません。


 パスタを茹でている間にベーコンを幅一センチ程に切り、にんにくはみじん切りにします。


 フライパンにオリーブオイルとベーコンとにんにくを入れて中火でカリッとするまで焼きます。焼けたら火を止めて粗熱を取ります。その後ボールに卵と生クリームと粉チーズを入れた卵液をフライパンで温め、パスタが茹で上がる直前にベーコンを加えて軽くかき混ぜます。


 茹で上がったパスタを卵液に加えてとろりとするまで混ぜ合わせて、粗挽き黒胡椒を振りかければ完成です。


「和樹様、どうですか?」


「美味しいよ、いつもありがとう」


「いえ、当然ですので」


(ふふっ、また褒めてもらえました)


 本当はもっと喜びたいのですが、和樹様の前でそんなはしたない事はできません。


 昼食を食べ終わった後は少し休憩して、和樹様はソファーに座っています。


 その時も私は和樹様に頭を撫でてもらいます。一度撫でてもらってからは、このなんとも言えない幸福感がやめられません。


 満足したら息抜きでゲームをします。相変わらず和樹様は強いので、勝つことは殆どありません。


 それでも私が勝てたときは褒めてくれるので、その時は嬉しくて仕方ありません。


 ゲームが終わるとまた和樹様は勉強に戻ります。その間に私は洗濯物や掃除を済ませます。


 駄目とは分かっていますが、和樹様の下着を見て、洗濯した後ですけど少し匂いを嗅ごうとして、興奮してしまいそうになります。


 夕食の時間は大体7時頃になります。なのでその時間に合わせて夕食ができるように作ります。


 何にしようか少し悩んでいたのですが、和樹様がカレーがいいと言っていたのでカレーを作ります。


 正直カレーは肉を焼いて、野菜を煮込んだあとは、市販の固形ルーを入れるだけでも十分美味しく仕上がります。隠し味にちょっとチョコレートを入れてみたりなんかして、工夫はしています。


 夕食を食べた後はお風呂に入ります。和樹様と一緒に入りたい気持ちもありますが、最近では気持ちが抑えきれそうにないので一人で入っています。


 私が入ったあとはすぐに和樹様が入ります。お風呂から出てくるのを待っていると、髪が濡れて少し火照っている和樹様が出てきます。お風呂上がりは髪を上げているので、濡れた髪と相まってとても色っぽく感じます。


 お風呂から上がった和樹様はまた少しだけ勉強しています。その間に私はこの前見つけた猫の動画を見て癒やされます。


 和樹様の勉強が終わると一緒にベッドに入ります。ベッドの中で和樹様の匂いを嗅ぎながら抱きついて寝るのがとても幸せです。


 明日の和樹様の寝顔を見るために早めに寝たいと思います。


 おやすみなさい。


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