セレーナード シューベルト 白鳥の歌より

ルージェさま



サーシャ




ひら




どれだけ お会いしたかったことでしょうか

サーシャ


わかりますか

サーシャ すまない



結ばれないのでしょうか

ルージェさま


駄目なんだよ



ルージェさま

サーシャ



どうしても駄目なのでしょうか


サーシャ



ルージェさま



駄目なんだよ





ルージェさま


サーシャ



湖のほとりに座りましょう


そうしよう


いつか





ルージェさま



サーシャ



蝶が舞っています


駄目なんだよ



いつの日にか会えませんか



サーシャ


ルージェさま






ひらり


ひら





ルージェさま


サーシャ



白鳥がいます


どうした


向こう岸に渡るまで



わかっている


ほら


これでいいかな


はい



サーシャ


離したくない


私もです


だが



どうして なぜですか




ルージェさま


離さないよ



神さま


どうか


この時が止まりますように



必ず


また


会えるよ





ルージェさま



サーシャ




白鳥が遠くに行ってしまいます


必ず

また


迎えにいくよ





見えなくなっていきます



だんだんと




だんだん





だんだんと






王子さま

いえルージェさま


サーシャ



白鳥がこちらを向き始めました


そうだな





ルージェさま

サーシャ



また

こちらに向かってきました


そうだな サーシャ





ルージェさま

サーシャ



私の心を覆ってください



わかった


だが



ルージェさま


サーシャ



私を



わかった





ルージェさま

そうです



だが

駄目なんだよ



ルージェさま

やはり


離さないでください

わかった



ルージェさま




サーシャ

私はなんて意気地なしなんだ

神よ

どうか

私の心を突き刺してくれ




ルージェさま


サーシャ




空と優しいルージェさまの

お顔がみえます




サーシャ



ルージェさま


サーシャ



今度は



サーシャ



空に星がみえてまいりました




ルージェさま

サーシャ




ルージェさまと

星が




サーシャ




ルージェさま

私を見つめています




私には

ルージェしか見えぬ




でも


サーシャ




ルージェさま


サーシャ




もう

ルージェさましか

見えません




サーシャ

ルージェさま




星たちが

きっと

怒ることでしょう




サーシャ


ルージェさま




かまわぬ




ルージェさま





サーシャを支配できるのは

やはり

私だけだ





ルージェさま


サーシャ












王子様


シャルダン

なぜ













ルージェさま


また





サーシャ


ルージェさま




また




サーシャ


お会い出来ますでしょうか


ああ










王子さま

申し訳ありません










ルージェさま

お待ちしております










申し訳ありません

ルージェ王子様


シャルダン










ルージェさま


サーシャ




サーシャ





私はなんて意気地なしなんだ

神よ

どうか

私の心を突き刺してくれ


私の弱い心を

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