第10話





「はい、これ!ななちゃんが好きって言ってたチョコレートだよ。クリスマスプレゼント。」







この前何が好きか聞かれた時にチョコレートにハマってると言ったので用意してくれてたそうだ。



一粒百数十円する。


「ありがとう。このチョコレート好きなやつ!」



「もう一つ用意してるからね!後であげるね。」



英二はこうやってプレゼントを人にあげるのが好きなのだろう。

いや、あげてる自分が好きなのだろう。




せっかくクリスマスなのだ。

恋人のように寄り添ってあげよう。



「ありがとう。ごめんね、私何も用意してないよ。」



「俺があげたかったらから良いの。それに、ななちゃんと一緒にいれることが僕にとってクリスマスプレゼントだよ。」






こんな事言ってくれる人は中々居ない。


カイは今どうしてるんだろう。

朝、メリークリスマスとメールが来ていた。


きっと私が他の男の人とデートしてるだなんて思いもしてないだろう。




カイからのクリスマスプレゼントは数日前宅急便で受け取った。


URLが送られてきて、欲しい物選んでねとのことだったのでインテリアやらお菓子や実用品を適当にクリックした。



いつもイベント事がある時に会えない時はこのやり方。




会えることがプレゼント。


その言葉はカイから欲しかった。






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