りんご(仮)

@xiaoyang

第1話


また遅刻しちゃう。

混雑中の電車の中、スマートフォンを探ると時計は5時50分を示している。

6時に一男と待ち合わせ。

電車は15分もすれば着くのだけど・・・




連絡しとくかな。

一男は優しいからきっと気にしないで笑ってくれるだろう。



「ナナちゃん。」

「一男さん!お久しぶりです。」


ここのところ予定が合わず、2ヶ月ぶりの一男。

相変わらずにこにこしていて、ださい靴を履いている。

変わらない姿にほっとするような、苛立つようなんとも言えない気持ち。


「元気にしてましたかー?」

「うん。ナナちゃんは?忙しそうだよね。」

「最近は落ち着いてきましたよ。」



駅から徒歩5分のホテル街。

いつも同じ部屋のフリータイム。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る