2-7 純粋な気持ち

3年半前まで二人はいつも一緒にいた。大学の講義と大澤の仕事の時以外は常に一緒だった。エレガントで出会い、自然に、そう信じられないくらいに自然に2人の距離は急速になくなっていった。


何かをするわけでもない。同じ空間にいるだけで満たされた。互いにそれぞれ違うコンテンツを見ていたりもした。時々視線が合うと微笑みあいキスをした。


腕を絡めて街を歩いた。芸能ニュースの話題で口喧嘩、口喧嘩の後はどちらからとも無く手を差し伸べて「ね、お腹空いたね」仲直りの合図だった。


経済については夜通し熱く語り合うこともあった。


二人は心よりそばにいた。


そんな満たされた空間にいたさとみの前から大澤は突然消えた。完全に音信不通。


だが、さとみは探し回ることはしなかった。大澤のことを愛していたからだ。


ただ一度だけ大澤の会社に電話したことがあった。どうしても無事を確認したかったから。


そして、これが最後と決めて大澤の携帯に連絡したのだった。


お願い、繋がって。。。


怒ったり拗ねたりしないから。


お願い、いつもと同じ。。。


泣き崩れるさとみ。

何日か動けなかった。


薄れ行く意識の中でいつも普通にあった折り返しの連絡を待ち続けた。


あれから3年半。


大澤からやっと折り返しの電話がきた。

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