(5)仲間は美女ばかり!しかしハーレムではない
◇◇◇空賊の飛行艇・甲板◇◇◇
「……皆さん、お揃いですか?」
私が飛行艇の甲板まで行くと4人の美人が空賊達を縛り上げていた。
なんか片手をスッと動かすだけで独りでにロープが空賊達を縛ってる、何あれ凄っ!。私も真似しよう、魔法なら私に出来きるはずだ。
彼女達が私の旅の仲間、パーティーメンバーの美女達である、美女ばかりのパーティーである。男のロマンだよな。
………残念ながらハーレムとかじゃないけど。
「アオノさん来ましたか、こちらの首尾は上々です。アオノさんは……手伝う必要はなさそうですね」
エルフのイオちゃんが私の背後を見て一言、私の背後にはここまで歩いて来る途中で見つけた空賊達が全て私の魔法で拘束されて引っ張られてきている。
光輝く魔法の鎖。上空のアホみたいにデカイ魔法陣から出ているヤツとサイズこそ違うが同じ物だ、アレも私の魔法だからな。
「はい、こちら問題ありません。リエリ、ユーリ達も怪我とかはありませんか?」
「はいっご主人様、ユーリはかすり傷1つありません。空賊達を剣で切り刻んでやりました」
切り刻んじゃダメでしょ、こっちは殺しとかは極力辞めてって言ってんのに……。
「リエリの方も問題なく済みました。飛行艇の操縦をしてる空賊達は今もリエリの魔法の支配下です」
リエリはクールに仕事をしてくれる、頼れる美人秘書の風格だ。
この2人は私の魔法で生み出したゴーレムだったりする。
今でこそ人間の姿をしてるが最初は土の小人見たいな感じから試行錯誤して今の姿に至った、その能力は様々な人物や動物に変身出来るし戦闘力もかなりの物でとても頼りになる。
……人前で私をご主人様って呼ぶのは中々辞めてくれないんだよな、正直めちゃくちゃ恥ずかしいんだけどさ。
「ハァッ……アオノ、わざわざこの程度のヤツらを相手にお前自身が来る必要があったのか?多分だが俺1人でも何とでもなったぞ?」
「シアさんの言うとおりかも知れませんね、しかし万が一もあります。私が心配性なだけですがシアさん達に何かあってはボスさんに顔向け出来ませんしね……」
この褐色の俺っ娘はシアちゃんだ、その正体はドムル族と言う深い森に住むモンスターの一族である。
今は魔法で人間の姿をしてるんだ、ボスさんってのはそのドムル族のリーダーで老人口調の方だ。魔法で人間に化けるとイケメンになるもんだから年齢が今一分からん。
……ボスさんの話はどうでも言いのだ。
ドムル族はエルフ並みに魔法に長けた一族である、シアちゃんも転移魔法とか普通に使う。
その上で魔法で自身を強化して相手を殴る戦闘を好むアマゾネス見たいな女性だ、あのゴツい手甲で本気で人の顔を殴る。怖いわ~~。
「ボスは今はどうでもいいだろ、しかし俺の身を案じるか……まっまあそれも別に構わないがな………フンッ」
いつもプリプリと怒っている感じだが、実は怒ってない事が多い彼女だ。今もそうである。
中々に個性豊かなパーティーメンバーだと私は思っている、しかしこれが案外旅をすると楽しい面々なのだ。
まぁ私は前の世界では彼女なんて1度も出来なかった非モテ社畜、そんなのが普通に美人と共にファンタジーな世界を旅行気分で旅できるだけでも相当に幸せを感じる。
「アオノさん、確か飛行艇の空路の近くに大きめの街があります。そこでこの空賊達を引き渡しましょう」
「そうですねイオさん、この辺りを縄張りとする空賊なら指名手配されているかも知れませんから話が進みやすいでしょう」
「ではアオノさんの転移魔法で?」
「はいっ私がその都市まで運びます、皆さんは先に我々が乗っていた飛行艇に戻ってもらって……」
「この規模の空賊を捕まえた事を上手く説明するのは私の方が向いていますよ、私達も一緒に行きますから」
イオちゃん以外の3人も同意見なのか無言で空賊達を縛り上げている。
本当に頼りになる仲間達である、シアちゃんの言うとおり、中年は要らなかったかな?。
「……分かりました、ではそうしましょう」
その後私達は転移魔法で近くの大きな街にこの飛行艇ごと空賊達を引き渡しに行った。
いきなり空に空賊の飛行艇が現れて街の方は騒然なったり騒ぎになったりしたが何とかおさまると話は案外すんなり進んだ。
イオちゃんが出張るとしつこく空賊を捕らえた経緯を聴いて来てた警察的な組織の兵士達が黙って引き下がったのだ。なんでかね?まっいいか。
本当にイオちゃん様々である、私達は直ぐに乗っていた飛行艇に転移魔法で帰る事が出来た。
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