第15話 奴隷

とりあえず、俺たちは宿にむかうことにした。

最初は彼女もだんまりを決め込んでいたが、

俺が、

「なぁ、もし教えてくれたら宿代俺が全額だすよ」


 「なぁ、疲れてるだろ? 風呂入りたいだろ?

  だから場所教えて?」


 挙げ句の果てには、


 「………あー、君助けたから肌が汚れちゃったな

 ぁ、チラッ、風呂入りたいなー、チラッ」


とかいう周りの人がみたら(えぇ………)ってなるようなクズ発言までした。我ながらうぜぇが、


 「………こっち………」


と場所を教えてくれるようなので、ついて行っている。



 「……………」


「……………」




しかしまぁ、会話がねぇ! あんまりこういう時の話題の出し方が俺はわからない。

  ………んー、



 「ね、ねぇ、名前はなんていうの?」



「………………」


「あの…名前の方が呼びやすいなーって思って」


「………私そんなのない、奴隷だもの」



 おっと…これは? もしかして地雷踏んだか?

しかしもう引き下がれない。



 「君は奴隷だったのかい?」


 「……そう、私ね、奴隷なんだよ、




…… そこでは『K 348』って呼ばれてたわ」



  『K348』か、348ってのは何番目かだよな。

  Kってなんだろうか、でも相当な数の奴隷を従えていたんだろうな。



…………そうだな、名前も考えてやらなきゃな。

 せっかくだ。ちゃんと考えて、笑顔にしてやりたい。



 「……………ここ」



 気がつけば、目の前にどでかい建物があった。


「じゃあ、ここに入ろう。いくぞ。」


「…………(コクッ)」



中に入ると、おじさんが一人立っている。

30後半というところだろうか。

俺は見た目は18だが、中身は50代だ。年下なら強気に行こう。



「すまない、ここに止まりたいのだが、一泊いくらだ」


 「……一部屋銀貨6枚」


たしか、金貨1枚が、銀貨300枚分だっけか。

王女様には実は銀貨ももらった。



「じゃあ、30枚で5日頼む」



「……そこの階段登ってすぐ右の部屋だ」



あっさりだな。……てかくっさ! おっさん風呂入ってるか? まるで、こってりしたラーメン屋、、

…まぁそんなことはどうでもいいか。


「よし、じゃあいくぞ」


「うん………」

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