第9話 バッドストーリーは突然に 

「……………えっと、なんかすまないが、君は

 通行証は持ってるか?」


芦毛の猫耳を持った、、(獣人族だろうか)、人が

どん!と立っている。少し威圧的だ。

まぁ、理由は、あまり詳しくは言えないが、

でかいのだ。主に上半身。えっと、メロンが二つ

付いている。


「えっと、その、あの、……」


いろんな威圧にやられて何も言えなくなる。


「お、おい、どうにかできないか!?オルトー!」


「そ、そう言われても………………あ!そうだ!」


「ど、どうした、小僧、」


芦毛の猫耳お姉さんが少し困ったように聞いてくる。


「え、えっと、【自分はカインドの友達】です!」


よし、これで大丈夫だ!と思っていた。だが、

芦毛の猫(以下略)は、急に深刻な顔をして、

周りにいた兵士たちも急にざわつきはじめる。



「…やっと現れたか、貴様ら!国家最高指名手配、

 『エモーション・D・カインド』の仲間め!

 国家反逆を手伝ったとして、逮捕する!

おい、お前ら、連れていけ!」


は……?国家反逆?


「おい、相棒、どう言うことだ!?おい、なんで

 その名前を今ここで出した!?どう言うつもり

 だい!?」


「あ………え………?なん……で?」


どうやらまずいことになった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



俺たちは即、島の中心街に連れて行かれ、その城の

地下牢へと連れて行かれた。


「貴様ら、少し待っていろ、今王家の方々に報告

 しているところだ!死ぬまでの時間をせいぜい

 楽しむといい‼︎」








「…………………………」




「な、なぁ、相棒、どうしてだ?」



「……ないんだ、」


「なんだ!?相棒!答える時はもっとはっきり話を

 してくれ!」



「わからないんだ!全然わからない!!なんで俺た

 ちは捕まった!?なんで俺たちは国家反逆罪なん

 だ!?なんで!なんでなんでなんで!」


「おい!おい!落ち着け!」


「おい……俺は真剣に言うぞオルトー。

 ……お前は真剣に『カインドの友達』

と言ったのか?」


「……………あぁ、」


「この際だからいうがな、あの選択はクレイジーだ

 よ。あまりにも。」


「なんでだよ!なんで、あの人のこといったら

 犯罪なんだ!俺はなんもしてない!」


「………わからないのか、、

 そうだな、その辺のことについて、少し話そう。



 ………昔々、1つの国を治めていた大きな城が

 ありました。その国は人間族が王をし、

 『多種族平等国家』として、さまざまな種族が

 暮らしていました。そして、この王には沢山の

 種族の妻がおりました。その妻たちは子を産み、

 より一層多種族平等主義を強めようとしていまし

 た。しかし、問題はここで発生したのです。

 子供たちは障がいをもって生まれてきました。

 その内容は『感情をひとつしか持たない』

というものでした。王らは、子供達の存在を

 隠し、その国を今まで通り治めていました。

 しかし、その時間も長くは続かず、王の死後、

 後継を決める時、彼らは動き出したのです。

 『神の力を受け継ぎし者』として。

 彼らはその国の人全員を殺したのち、バラバラに

 なりました。


 そして、そのひとりが、君のよくしる、カインド

 だよ。」


「な、なんで?おじいちゃんはとてもいい人だった

 よ?」


「………そりゃそうだろうな。」


「じゃあ、なんでしめいては(聞いて居なかった

 の?いっただろ、彼らは『感情を一つしか持たな

 い』と。)


「………!、もしかして、名前に関係あるか?」


「……やっとわかったかい?そう、彼らの名前が

 もつ感情に大きく関わる。カインドはすなわち

 kind、『優しさ』だよ。彼は優しさしかもって

 いない。いい意味でも、悪い意味でも、ね。」


「そ、そうなのか、、、。」


「他にも、感情を冠した名前をもつ人は居て、

 たとえば………


 「おい、お前ら、王家の方々が会いたいとおっし

 ゃっている。さっさと行くんだ。」


話を遮り、さっきの芦毛が声を張る。


「、王家の人か、少し会いたいと思って居たし、

 いくぞ、ウインド。」


「おい、僕のことは相棒って呼んでくれよ、、」


「ハハ、すまんすまん、」


今回のことはどうにかして理解してもらうしかない。よし、行くぞ。

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