プロローグ 俺が過去転移することになったワケ 後編

「あらあら、貴方が自分から来たんじゃない。」


「いや、あんたが半ば強制で、あのエロ本読ませた

 んだろ!」


「あらあらぁ、口に出したのは、貴方じゃない、、それとも私の口に出したかったの?やぁね、外に出してちょうだい、フヘッ」


何言っても茶化し、神にあるまじき発言をするカルアにむかっときたオルトーは、


「Cyka」


と一言。

するとピクッとカルアのまぶたが動く。


「あらあら、言語を変えればバレないと思った? 

私は言語をすべて認識しているのよ?人をビッチ呼ばわりなんて、お仕置きしちゃおうかしら。」


スゥっと彼女の目からハイライトが消える。


「すみませんでしたビッ、、カルア様」


「ビッ?フフ、面白い語尾ね、私もその語尾はしらないわぁ、、、って、そう、言いたかたったことがあるのよ、もう、話をずらさないでちょうだい。」


ずらしたのはテメェだろ、、、という言葉をのみこんで、


「んで、その本題って言うのは?」


「貴方、もっと多くの言語を知りたくない?」


その言葉に、言語研究者は強く反応する。


「もちろん、知りたいさ!」


「ふふっ、そうよね、、、私なら貴方に沢山の言語を教えることができるわ」


オルトーは、言葉を聞き逃さない。


「なんと!今すぐ教えてくれ!いや、教えてくださいお願いします!!!!」


すると、女神はくすりと笑い、


「あらあら、調子のいい人ね、貴方のアナタも元気かしら?」


さりげなく爆弾発言をかます彼女だが、今回ばかりは、オルトーを引かない。


「そうですね!貴方の言う通りです!」


「ちょっと今の貴方は気持ち悪いわよ、、」


流石に女が男に言うのと、男が女に言うのとでは、話が違ってくる。


「でもまぁ、貴方をもっと言語の豊富な場所には連れてってあげるわ。けどね、、、私からも頼みがあるのよ。」


あの女神の頼みだ、と、良くない、といつものオルトーなら、そう思うだろうが、今の言語狂人は違う。


「ええ、ええ!わかりました!このオルトー、なんでもします!」


「交渉成立ね!!」


きっと、15分後のオルトーは後悔するだろう。

しかし、結果は違った。











「え。やっぱこの話なしで。」


......5分後の出来事だった。


「いやだぁぁぁぁあ!!!!やりたくないいいい

い!!!!」


カルアの話を要約すると、我々人類が住む地球には、昔、沢山の種族が住んでいた。沢山の言語、沢山の文化が共存し、世界があったそうだ。

 しかし、今から500000年ほど前に、突然大爆発が起こり、孤島に集まって暮らしていた人類のみが残り、他の種族はすべて滅びたそうだ。


つまり、カルアが求めるのは、この大爆発を起こらないよう、オルトーに活動してもらうと言う無理難題であった。


「そんな、ほとんどを滅ぼす爆破を避けれるわけないだろ!!!!、、、カルアは、考えでもあんのかよ!」


「あるわ」


口調が崩壊したオルトーに、カルアはそう、一言だけ言う。


「じゃあ、お前が行けばいいだろ!」


「神には時間がないのだ。そこで、君の出番ってわけだ。」


急に今更口調を変えた神様(笑)に呆れてオルトーは何もいえなくなる。


「、、、、、、、、、、どんな考えがあるんだ。

 教えてくれ」


「そうですね、、ここでは表現しづらいので、実際に、過去にいきましょうか。そこで、説明します。」


女神の言葉に、オルトーは、


「わかった。」


と一言。そして覚悟を決めた顔をしたオルトーを見て、カルアは少し考え込み、


「そうですね、私はこれから言語収集をするのに、

便利な超能力、いわゆるスキルをいくつか与えましょう。まず一つ目は、、、」













説明を一通り受けたオルトーは、


「わかった。このスキルたちを存分に使わせてもらうな。」


「わかったわ、使ってあげて。、、あ、でも、ひとつだけ注意、絶対に過去の人々には教えちゃダメよ。」


そんな、これは大事なことなのだろうか、とオルトーは一瞬考えたが、その思考もすぐに欲望に汚染された。


「じゃあ過去転移、頼むぜ!カルア!」



「ふふっ、調子がいいのね、、、、、」


女神がもう一言放つ頃には、もうオルトーはいなかった。


「オルトーの命、我と共に、、、、」






いま、こうしてオルトーの言語、そして多種族の復活の旅が始まった。

彼のこの行動が、現代の人類、さらに神にまで影響を及ぼすことを知らぬまま、、、

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