第13話

 結局、ミゴナ・ナラルに到着したころには昼が過ぎ、一行は到着してすぐ食事をとった。

 エンリは、また反社会的テロリスト行為に巻き込まれるのだけは避けようと、屋内で食事ができる場所を物色する。しかし、その古い街の外観が目的の施設よりも歴史的背景の深さのほうが目についてしまう。

 ミゴナ・ナラルは魔女ドーミネンが住む都市としても知られているが、それ以上に歴史が古い。ある意味でナチュ・ナラル始まりの場所といってもいいほどに、人々と紡いだ歴史は他の地域に引けをとらない。

 その歴史の始まりといえるのが、ナラル初代の王であるパラッシュ・キープの存在だ。

 彼は、この世界の創造神と言われているリーズらの生み出した子供のうちの一柱、オンガルとエンシュ族の娘レクトが恋に落ち、誕生したと言われている。パラッシュは自身の血のつながりからか、神と同素体と言われる精霊たちと自由に会話し、使役することが得意であった。また、人としての面で本来精霊は人間と密に関係を築くことを避けるが、パラッシュはそれには積極的であり、人と精霊の懸け橋として理想的な存在であったことが、ナチュ・ナラル建国のきっかけになったことはいうまでもない。

 そんな国となりがこのミゴナ・ナラルには溢れている。人が好む環境、精霊が好む環境、双方が気遣いなく生活できるような空間の提供がされている。他の国ではまず考えられないだろう。

「あちらの店などいかがです? もう人もまばらで入りやすそうですけど」

 クリエラが指さす方は確かに奥の方のテーブルがちらほらと空席が出始めている店で、他の旅行者らしき客も入っている。そこそこ名の通った店なのだろう。エンリも店の雰囲気や客の入り、その他もろもろの理由からそこがいいと感じたのか、

「そうね、他は満席みたいだし、そこにしましょうか」

 と同意の意思を示す。

「エンリ殿、あちらの店も空いておるようだが?」

 ログレスも、恐らく香辛料の香りをかぎつけたのだろう、強い香りのしてくる店を指さす。「あそこはダメ。もう満席だから」

 すかさず、エンリは提案を切る。

「いやいやいや、空いておる! 行ってみよう!」

「ダメです。満席で私たちが座る余裕がもうないですけど」

 五人中二人が「満席」という店を横目に、クリエラが見つけた店へ入っていく。

「確かに空いていたと思ったんだが……」

 入った店は、所々に空気を循環させる風送りの羽根飾りが置かれ、ゆっくりと回転している。明り取りにしては少ない香りのついたオイルランプがテーブルを照らし、暖かな印象を受ける。

「いらっしゃい。何にします?」

 店員の、イーフルット族の女性が注文を聞きにくる。

「ここって、ナパニだけの料理、あります?」

 エンリが即座に質問をする。

「あら、旅行の人かと思ったら通なのね。だけどごめんなさい。最近は乾季で乾燥ものしか出回らなくて、それでいいなら用意できますよ」

「あ、ちょうどいいです。なら、それの『筒蒸し焼き』をお願いできますか?」

「え? えっと…… 〝シンリーズ神殿〟に御用の方ですか? 少し時間を頂ければ大丈夫ですよ」

 エンリの言葉に店員は驚きながらも、接客を続ける。先ほどより少し表情がぎこちなくなったような印象を受ける。

「〝シンリーズ神殿〟? 我らは神殿にに用時でもあるのか?」

 二人の会話に聞きなれない単語があったのを、ログレスは聞き逃さなかった。

「ああ、神の一柱であるリーズ様を崇拝する宗教団体〝シンリーズ法会〟の総本山のことよ。一応、表立ってはないけどドーミネン姉さまの住まいでもあるの。どちらにせよ、行くなら食べておかないと、って思って」

 なるほど、とログレスは相槌を打つ。そういうものなのか、という顔をしつつも、自身は何を頼もうか決めあぐねていた。

「あ、食べるのは私の連れの彼です」

 エンリはログレスを指さし、自身は注文しない旨を伝える。

「え、あ、我か? 選択権はないのか?」

 しかしメニューを聞こうと構えていたログレスは、エンリの提案に虚をつかれ、拒否する機会を逃してしまった。

「あ、私も、久しぶりに食べたいです、それ。昔食べたことがあるんですけど」

 ということで、クリエラとログレスが思い付きでナパニ茸料理を食べることになった。

 チャイクロはエンリが多めに注文した山菜盛り合わせの穀物ラフラロールを少し分けてもらい、空腹を満たした。

 一方、ナパニ茸の筒蒸し焼きを食べた(一人は食べさせられた)二人は、片方は珍味に顔をゆがめ、片方は懐かしさに舌鼓を打っていた。

「茸のうまみ…… いや、渋みか? それが本体から抜けきっておらん。マズくはないが好んで食べるものではない気がするが……」

「もともと、その食材は人間じゃなくて精霊が好んで食べる食べ物で、人間が精霊と仲良くなるため、一緒に食べることで親交を深めた、っていう言い伝えがある食べ物なの」

「あ、だからさっきの店の者が『神殿に用があるか』と問うてきたのか?」

 しかし、だからといってこんな味の料理を食べるくらいなら、先ほどの空きがあった店で食事をした方が、と思いながらその店を遠目で視線を運んだ。

 すると、さっきは確かに空席があった場所に、何かが座っていたのにログレスは気が付いた。

「……む?」

 さらに、よくよくその席の着席者を観察すると、人間とは違う姿形をしているではないか。

(先ほどは、確かに空席だったはずなのだが? しかも、あれは……)

 さらに周囲に目を凝らすと、自分たちが歩いてきた街道も、この店にも、ついさっきとは違う賑わいを見せていることに気が付いた。

「エンリ殿…… この店、こんなに客が多かったか?」

「ええ。お向かいの店も、客でいっぱいだったでしょう?」

 ログレスは察した。

 ここは、精霊とともに発展した国だ。

 ログレスが食べたナパニ茸は、時期が時期だと上級貴族しか食べない。

 この国の貴族階級は、総じて精霊魔法に精通している。

 つまり。

「この茸は、精霊を可視する魔法食材か!」

 ログレスは、精霊を見れるようになったことに喜ぶべきか、味のひどさを言及すべきか、さすがにこのときばかりは悩んでしまった。


     *   *   *


 昼食を終えた一行は、エンリに連れられてそのまま神殿へとやってきた。

 街はずれの高い石階段をそこそこ上り、気持ち空気がひんやりしてきたと思ったあたりで、誰かが階段の脇に左右それぞれ立っているのが見えた。

「お待ちください。ここから先はシンリーズ法会の総本山です。事前に登山の連絡はされておられますか?」

 右側の人が話しかけてきた。どうやら、警備にあたっている人のようだ。

「連絡はしてないわね…… ドーミネン姉さまに会いたいのだけど」

 エンリはちょっと困った風に、問いかけてきた相手に自分の目的を告げる。

「ああ、魔女の方ですか。世界樹守ドーミネンさまには、どのようなご用件で?」

「そうね…… 終焉守が来た、と伝えていただけますか」

 それを聞いた反対側に立っていた人が何やら持っていた槍をくるくる回しながら、ぶつぶつとつぶやく。

「なんだあれは?」

「恐らく、精霊を使って連絡をしていると思うんですけど。精霊は素界域の住人ですから、私たちの住む現界域とは違うことわりで情報の伝達が可能なはずですけど」

 クリエラが説明するため口を挟むが、ログレスには今一つ伝わりきらなかったようで、エンリがさらに詳しく話す。

「素界域は、私たちの住む現界域の一つ上の界域なんだけど、この現界域と重なり合った状態で存在しているの。だから、今のログレスみたいな方法で〝見る〟だけならできるけど、実際にああして精霊を介して何かをさせるなら結構な訓練が必要なのよ」

「ううむ…… つまり、左の者は、今本殿の方に居られる魔女どのと、精霊を介して連絡を取り合っておる、と。で、我はそれを見えてはいるが、実際にはまだまだ訓練が足りぬ、ということだな!」

 大まかには間違ってはいないので、エンリもクリエラも特に訂正はしない。そんなやり取りをしていると、連絡を取っていた人が「お待たせしました、どうぞ」と一行に先へ進むよう促す。

「ありがとう」

 エンリは礼を言いながら、先へと進む。

 階段はまだまだ続き、僅かだが霧がかかってきたような気がする。

「まるで、アトリエ近くのようですね」

「そうね、木も増えてきたし、霧がかってきたけどまだアトリエほどではないわ」

 パルティナが、周囲を見回しながらエンリに話す。確かに、エンリ達が普段住んで知る霧海の湿り森は、もっと深い霧に常日頃包まれているため、この程度の霧では特に困るようなことはないとエンリは感じていた。

「あっちはもっとけど、こっちはないからまだ大丈夫!」

 チャイクロも同意見のようで、すいすいと進んでいく。

 問題は、残りの二人だ。

「エンリ殿! どこだ? こう霧が濃いと皆がどこにいるか見づらくて敵わぬ!」

「……やっぱり、食べるべきではなかったかもしれないですけど」

「見えるようになる、っていうのも少し考え物ね」

 エンリの予想通り、視界を遮られてしまっている二人の手を取り、エンリは先へと進んだ。

「よく見えるな、エンリ殿は」

「この霧は、本当ならあなたたちは『見えない』はずなのよ」

 エンリのその言葉に、ログレスが即座に反応する。

「まさか、この霧が精霊であるというのか?」

「あら、理解が早くて助かるわ。まあ、ね。ちょっと意味が違うけど」

「知ってますけど。現界域と素界域の区別ができるようになる訓練を兼ねた、この神殿へ洗礼を受ける精霊使いを試すため、ですけど」

 くるくると指を回しながら、クリエラは得意げに話す。

「よく知ってるわね。まるで初めてじゃないみたい」

「まあ、あの茸を食べた時点で、それなりに、ですけど」

 話もそこそこに、一行は巨大な建造物の前に到着する。旧い建物で、色のくすんだ木材が目を引くが、ログレスとクリエラはその建物の中央から空へ向かってあるものが突き出ているのに気が付いた。

 木だ。

 それも、とびきりの大木が建物の真ん中から突き出ていて、そのてっぺんは霧に隠れてみることができない。

「やたらと大きな木があるな……」

 上を向いているログレスの首が、真上を通り越して反り返っている。

「木? そんなのある?」

 チャイクロがログレスの見ている視線の先へと目をやるが、チャイクロにはただただ霧が映るばかりだ。

「ようこそ、シンリーズ法会の世界樹神殿へ。世界樹守へのお目通しと伺っております」

 入口近くの関係者らしき人がこちらに歩み寄る。先ほどの人から連絡を受けた人だろうか。

「ええ。お願いできるかしら」

「はい。今日は『根の間』にてご祈祷中にございます」

 そう言いながら、正面の入口に入り、エンリ達を建物内へ案内する。

 中に入ると、上へと向かう階段と下へと向かう階段がある。正面は少し壇上が設置されているが、今は特に何も置かれていない。恐らく催事などで使う広間なのだろう。

 案内の人は、特に待たずそのまま下への階段を降り始める。エンリ達もそれに倣って下へと向かう。少し歪な螺旋階段を下りていくと、人の二倍はあると思われる大きな両開きの扉の前に到着した。

「世界樹守、お客様です」

「ああ、入ってもらって構わないよ」

 中から、妙にくぐもった声で返事が返ってきた。

「どうぞ。私はこれで」

 案内の人はもとの持ち場へと帰っていった。

「入ります」

 エンリは、ひと声かけると扉を奥へと押し開いた。

 すっ、と冷たい風が足元をなでる。どうやらそれなりに地下へと潜ったようで、中はひんやりしている。

 一行はその部屋、『根の間』へと入る。

 しかし、名前が示すようなものは見えず、ただ大きなよく分からない壁画があるだけの、だだっ広い部屋の中央におかれた椅子に、誰かが座っていた。

「やあ。やっぱりエンリかェ。久しぶりだェ」

「ご無沙汰しております。ドーミネン姉さま」

「クリエラも、洗礼の時以来かェ。息災で何よりぞェ」

「ありがとうございます。世界樹守もお元気そうで何よりですけど」

 ドーミネン・エニュー。世界樹の魔女と呼ばれる、世界三大魔女の一人である。

 黒に近い緑の髪は、立ってさえいれば足首までありそうな長さではあるが、それらはいくつかの束にされて、体に巻き付くような形状をしている。そのため、来ている法衣は神に隠れてはいるが神の間から覗く藍色の美しさは、魔法で灯された灯りに照らされてより一層深い藍に見える。そのせいか、どうも体格が見えづらい。成長を始めた若芽にも、今にも枯れる老木にも見えてしまう。

 彼女は、世界に二つ存在する宗教団体のうち、創造の神リーズを崇拝するシンリーズ法会の総本山であるこの世界樹神殿に住んでいる。何故なら、このシンリーズ法会の天司(最高責任者)であるからなのだ。

 シンリーズ法会は創造神リーズを崇拝対象としているが、そもそも神と精霊は同素体であり、精霊も神も同じくして尊ぶことを是としているため、決してリーズのみを崇拝しているわけではなく、精霊も同じく大切な存在として扱っている。ドーミネンは、当初そんなこの国の風土と精霊の研究をするうちに、自然とシンリーズ法会へと入信した。

 入信したのちも、精霊そのものもそうだが、精霊が繰り出す精霊魔法、精霊と人間の関係や歴史を学ぶある日、ドーミネンは精霊を束ねる存在の一霊である、大樹の精霊『エーティエ』に出会った。

 この出会いがきっかけとなり、エーティエから守り子を与えられたドーミネンは、それ以降魔女として生きることになった。もちろん、彼女の二つ名である『世界樹』は紛れもなく彼女との契りを交わした精霊によるものであることは言うまでもない。

「守り子とは、神からの授かりものとばかり思っていたが、そうでない魔女もいるのだな」

「ウチがそうなだけでェ、やっぱりリーズ様かサヴァス様から授かるのがほとんどだねェ」

 まるで木の皮のように茶色くシワシワな顔が、笑うことでよりシワシワに見えるが、ログレスはあえてそこには触れない。

「エーティエ霊も、外の様子からもご健在のようですけど。懐かしさで茸を食べてきて、やや後悔しましたけど」

「ああ、霊覚ナパニ茸かェ。そもそもあれは大人に無理やり精霊を視認させるためのものだからねェ。

なんせ、出自が初代のナラル王パラッシュの死体から生えた、なんてのもあるくらいだからねェ。まあ、洗礼を受ける気があるかどうかの度胸試しな側面が強いかもねェ」

「……なんと、度胸試しであったのか。そりゃあんなひどい味なわけだ」

 ログレスはあの味を思い出して苦い顔をする。

「やっぱりおいしくなかったのね」

 無理やり感想を紡ぎ出していたログレスを、エンリは思い出す。

「案外、慣れるとやみつきになるのよ。あれはあれで」

「フェフェ。そう言えば、さっきからシャロザが見えんが、何かあったのかェ?」

 その言葉に、クリエラがビクッと体を強張らせる。

「シャロザ、とは何だ?」

「どなたか、のことでしょうか?」

 ログレス、パルティナは何のことかわからないようだ。チャイクロも、首を横にすることで分からないことを表現している。

「ほら、見せてェみなさい。おいで、シャロザ」

 ドーミネンはまるで乾き切った古枝のような手をクリエラに差し出す。すると、首元から黒い影がススっとドーミネンの手へと移動する。

「な、何だ今のは!」

 ログレスは突然の部外者の登場に驚くが、ドーミネンの手に乗ったそれはそのまま再び動かなくなる。

「ほうほう、なるほど…… それは、まあ、ははぁ…… フェフェッ。あいわかった」

「クリエラ、アレは何だ? もしかして」

「はい、……私の、霊素子パラットス(術者と生活を共にする精霊の意)です、けど」

 〝霊素子〟とは、精霊使いの素質がある者が洗礼を受けることで、召喚を挟むことなく呼び出すことができるようになる専用の精霊ともいえる存在だ。初代ナラル王パラッシュの名前の一部が使われているのは、かつてパラッシュがそうであったからだと言う。通常は一人一霊の精霊を霊素子にあてがい、常に魔霊素を共有することで瞬間的な精霊魔法の行使が可能になる。

「最近、強大な精霊魔法を飲み込んだせいでちょっと調子が悪いようだねェ。ただ、その魔法の質が良かったようだェ。そのうち前より魔霊素をもっと多く持てるようになるよ。なかなか上質な魔法だったみたいだねェ」

「そ、そうなんですか、ありがとうございます…… やっぱり、ゼーオでの一件から調子が良くなかったんですね。そんな気はしていましたけど」

「クリエラ、お前精霊使いだったんだな。気が付かなかったぞ!」

 ログレスが満面の笑みでクリエラを見る。

「そりゃ、ネオントラム王家の従者たるローレグシアの家系と言ェば、必ずここで洗礼を受けて一人前の精霊使いとなって主に仕えるのが一族のしきたりじゃからねェ。中でもこれほど珍しい精霊は居らぬ。あるじにも精霊にも恵まれたの、クリエラ」

 ドーミネンの言葉に、クリエラは少し誇らしげな笑顔を見せる。

「フェフェッ。これなら、いつでも未来のネオントラム王妃を任せられるかもねェ」

「……何を言っておる? クリエラは王妃などにならぬぞ」

 急なネオントラムの話に、さらに輪をかけての否定をするログレスに、一同は思考が止まってしまう。

「ログ、レス?」

「おや? 思う所があるのかェ?」

「……まあ、別にそこにこだわるつもりもないですけど」

 さっきよりも明らかに声質が落ちたクリエラが、ちょっと残念そうにつぶやく。そんなクリエラに、エンリが納得の顔でクリエラに向き直って話しかけた。

「そうそう。私の精霊魔法をかき消したのも、その精霊の魔法でしょう? ピランミラ《炎の精霊》の火炎魔法を打ち消すなんて、そうそうできるものじゃあないから」

 ほほえましく会話する二人を見ていたドーミネンは、あることを思い出し、エンリに質問してみた。

「そういえば、エンリよ。リンカは元気かェ?」

 エンリは、一瞬その動きを止める。

「リンカ殿? はて、そちらも初めて聞く名であるな?」

「……はい、今回、リンカに会うつもりで旅行に出ています」

 エンリは、一言一言をかみしめながら、ドーミネンの質問に答える。

「そうだったのか。ん? だが、船では魔女を探している、と言っていたが、もしかしてリンカ殿も魔女なのか?」

 ログレスは、初めて船に乗った夜の事を思いだした。確かにあの時、エンリは魔女を探しているといっていた。

「あら、記憶力がいいじゃない。そうよ。リンカは魔女。でも、今すぐには会えない。会うために、いろいろ準備が必要なの」

 エンリは、自分が今まで出会った魔女からもらった魔霊素の入ったペンダントを取り出し、ドーミネンに見えるようにかざした。

「長かったねェ。きっと会えるさェ」

 その後も、いくつかの長い会話が続き、エンリは無事ドーミネンから魔霊素を受け取ることができた。

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