ギルティ=サークル

なかと

プロローグ

この世界には、4柱と呼ばれる神が存在する。


    妖精ピクシー シブ

    栄武エブ リスタ

   瘴刹迦しょうせつか ナロウ

    妖夢ヨム カーク


…………うん?ネーミングがマズイですと?

…じゃあ、


この世界には4人の神が存在した。

精霊神 シブ

武神 リスタ

瘴気神 ナロゥ

玄界神 カアク 


……これで良いですか?

はい、ギリギリですか……


 世界の理は、この四神が『会食』の場で互に牽制と協調の元、その均衡を保っていた。

 だがしかし!突如現れた未知のウイルスにより、事態は急転直下、密を避ける中で四神の『会食は5人以下だったらいいでしょ?』と、高級ステーキ店での失言により信仰を失う事となる。

 訪れる混沌の世……


 ……えっ?このネタもダメ? 権力に抹殺される!?

……こんな所しか文句の言えない卑怯者め?

 はい、スイマセン…調子に乗ってました。

それでは…


 世界の均衡はこの四神により保たれていたが、突如として現れた厄災により未曾有の事態が世の中を覆い尽くす。

 次第に信仰は失われ、神々の力は衰えていった。

 

 事態を重く見た四神はある決断を下す。

支持率…もとい、信仰の回復の為の手段。

それは、民の中から『英雄』を作り出す事だった…


 少女の見た目をした玄界神カアクは、独特の方言で口を開いた。

「せやけど、ナロゥのにいちゃん。早よトラックに轢かれた人が来おへんかな…?」


 その言葉に、一見好青年とも云える瘴気神ナロゥは呆れた様子で、「まったく、カアクは今までどれだけ転生者を生み出して来たと思ってるんだ? 俺達が過労で倒れてしまうぞ? 『創造神小◯家過労かろう』なんて、笑えないしな……ただでさえ信仰が消えて力が無くなってるのに…」と首を横に振る。


 そのやり取りを見ていた、武神リスタは自慢の顎髭を撫でながら、「諸君、待ちたまえ。毎回トラック運転手を加害者にして罪悪感は無いのか?彼らにも守るべき家族が居るのじゃぞ! それに、遺族の心境を察した事があるのか!?」と、声を荒げた。


「そうね、ここは新たなトレンドが必要になるかも……いっそのこと、原点回帰で指名したらどうかしら?」精霊神シブは見た目通りの透き通る声で提案するも、「選ばれし者よ…ってやつかいな? それって、古いんちゃうか?」と、カアクの反論にヘソを曲げ、そっぽを向いてしまった。


「はあ、これだから女神が入ると話が長くな………」話の途中だったナロゥにリスタが割って入る。

「ナロゥ殿!その先はマズイ…メディアによる大衆煽動が起こりかねないぞ!」と。


 このように、色々とややこしい神々だったが、打開策も見つからないまま時が過ぎ、結局シブの提案だった『指名式神のお告げ』により英雄を決める事となる。


「でも、何でウチが全員分の媒体メダルを作らなあかんの?」

 不満そうなカアクにナロゥは「こういう事は言い出した者がやるんだ、当たり前だろう?」

と、むしろそれが正しいかブラック企業あるあるの様に呟いた。


 かくして、玄界神カアク達の英雄探しヘッドハンティングで物語が始まる。


 悪い予感しかしないが、どうか、この世界に幸あらんことを……

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