第26話 異界化

「何かしら?ワタシ達の逢瀬を邪魔してくれる警報は。」

 ぷんすかとむくれながらディアナはカズマが取り出した個人端末を覗き込もうとする。

「勝手にのぞき込むな。」

「え~、ケチ~。減るもんじゃないんだからいいじゃないの。」

「プライバシーが減る。そんなことより警報はっと。」

 カズマは覗き込もうとするディアナの顔を押しのけながら、黒い装丁の手帳型カバーのついた個人端末を操作する。

「なになに、異界化警報だってよ。」

「ふ~ん、何処で?」

「ここ。」

「ここ?」

「そうまさにこのテーマパークが異界化の中心地になるみたいだな。」

「お化け屋敷に本物のお化けが出るってこと?」

「そう言うことだ。まあ出るのはお化けじゃなくて野良の悪魔なんだけどな。」

「そこはそこ~、それはそれ~。なんにしても退治命令は出てるんでしょ。」

「ああ、近隣のデビルバスターは事態の収束に当たれとよ。」

「んじゃ、一暴れしますか。」

「あまり施設は壊すなよ。」


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異界化


 異界化とは多数の悪魔憑きが集まるところで発生する野良悪魔が湧きだすスポット化のことである。

 野良悪魔は肉体を持たないエーテル体の塊で受肉しようと肉体を持つものに襲い掛かる習性がある。

 大体は食い殺されることになるのだが、まれに宿主の方が主導権を取ることもある。

 悪魔憑きにとっても脅威となることがあるので異界化が観測された時は早急に異界の核を倒すなりして事態を収めなければならない。

 その為のスぺシャリストがデビルバスターである。

 異界化は野良悪魔を呼び出すだけではなく周囲の環境も変化させる。

 それをダンジョンとも呼ぶが、必ずダンジョンには核がある。

 それは鉱石の形をとっていることがあったり、一体のボス悪魔だったり、果ては何処に繋がっているかもわからない空間のゆがみだったりもする。

 異界化の発生メカニズムはまだ分かっておらず、空間の揺らぎを超えて戻って来たものもいないのでいまだ謎が多い。


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デビルバスター


 デビルバスターとは野良悪魔や堕落を迎えた悪魔憑きに対処するために組織された悪魔憑き達の特殊部隊である。

 その構成員は秘匿されてるわけでは無いし調べれば少しは情報が開示される。

 主に戦闘能力が高い悪魔憑きや特殊な能力を持つもので構成されている。

 命令系統は存在せず、主に報酬などで構成員を動かしており、各自の判断で動いているのが現状だ。

 しかし、今のところはそれでも問題なく動いているのが現状だたった。

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