先輩、私の事を振りましたね?後悔しますよ♪  〜SP〜

アキノリ@pokkey11.1

新たなる夜明け

準備

1、文化祭の準備

「先輩」


七水穂高という俺、波瀬大博の後輩。

その後輩が茶髪を翻しながら俺を見てくる。

俺は、何だ?、と答える。


今何をしているのか。

実は現在、俺と七水は文化祭の巡回の準備をしていた。

今は10月である。

そんな中で俺達は風紀委員として回るのだ。

学校内を、である。


「準備万端ですか?」


「.....まあそうだな。準備万端だ」


「じゃあ行きますか。巡回」


「そうだな。行くか」


クラス委員の会議室を出てから。

文化祭の準備で賑わっている学校内を見回って歩き回る俺達。

それから俺達は会話する。


何だか良いな、と、だ。

その中で笑みを浮かべる七水。

俺も柔和に笑顔を浮かべる。

そしてまた見回る。

すると。


「あ。はーくん」


「.....お?どうした。栗谷」


「栗谷パイセン」


「もー。七水ちゃん。止めてよー。パイセンなんて呼ばれる筋合いはないよ」


アハハ。冗談です、と言う七水。

俺は苦笑い。

目の前に栗毛色の髪の毛の少女が居た。

俺達を見ながら笑顔を浮かべる栗谷御幸。


何というか小学校時代からの知り合いである。

クラスメイトでもある。

俺はポケットに手を突っ込みながら栗谷に聞く。

栗谷。準備はどんな感じだ?、と聞く。


「うーん。準備は良い感じだよ。でもお化け屋敷なんて初めてだからね。アハハ」


「.....そうか。お前の手腕が問われるな」


「もー!!!!!はーくん!そんなストレスかけないでー」


「ハハハ」


栗谷はポカポカと優しく殴ってくる。

俺達はそれを受け止めて笑みを浮かべる。

それから俺達は笑みを浮かべながら天井を見上げる。

でも何やかんやでお化け屋敷.....出来上がっているな。

俺のクラスだけど、と思いながら.....見上げる。


「初めてだよね。お化け屋敷。多分.....はーくんも」


「.....まあ過去も過去だが初めてだな」


「私は2回目ですね。見るの」


「そうなのか?七水」


「はい」


俺達は見合わせてから、じゃあお化け屋敷の設置の仕方。先輩。教えて下さい、とニヤッとしながら栗達は言う。

それから笑顔を浮かべた。

やり返したなコイツ、と思う。

七水は困惑しながらアタフタする。


「そんな.....教えるの下手くそだから.....」


「アハハ。さっきのパイセンのやり返しだよ。七水ちゃん」


「もー。栗谷パイセン.....」


「もう。パイセンじゃ無いってばよー」


笑顔でお腹を摘み合う2人。

俺はその姿に笑みを浮かべながら見つめる。

何やかんやで仲が良いよなコイツら、って思う。

俺が七水と会ってから.....栗谷が転校して来てから。

こんな感じだしな、と思う。


「ドロップ!キック!!!!!!!!!!」


「ぐわ!!!!!」


「ハハハ!参ったか!大博クゥンよ!!!!!」


「ぶっ殺すぞテメェ!!!!!」


いきなり何す.....。

そこまで言ってから俺は、うわ!!!!?、と驚愕した。

俺は智明のゾンビメイクに驚愕しながら青ざめて身を退く。


七水もドン引きしている。

そして俺達は顔を見合わせた。

栗谷だけが、もー、とか言っている。


「驚いたか?大博」


「おま.....文化祭だぞ!何だそのクオリティは!そして今からメイクすな!!!!!」


「まあそう言うな。これでみんなを驚かしまくってんのよ。フハハ」


「殺す気か。割とマジに女子達がドン引きしてるからな。七水も」


「およ?怖い?」


「俺が怖いんだから当たり前だ!!!!!」


真面目にドン引きだよ!

誰にメイクしてもらったんだよ!!!!!

ゾンビメイクの主は飯島智明。

俺の.....まあ親友だ。

ダチというか.....悪友。


俺は.....認めたく無いが。

マジにシ◯アの認めたく無いものだな.....って思う。

このアホ.....。


「先輩.....怖い」


「.....だよな。当たり前だが.....怖すぎる」


涙目で震える七水。

智明は、あちゃー、と額に手を添える。

ここまで七水が怖がるとは思ってなかった様だ。

怖いもの苦手だしな、七水は、だ。

俺は智明をそのままぶん殴った。


「何すんだコラァ!!!!!」


「このクソッタレよ!!!!!七水が怖がってんぞ!」


「.....それは悪かった.....が!お前、本気で殴ったろ!!!!!」


「当たり前だこのクソッタレ!!!!!何でか分かるか!?七水が怖がってんぞ!」


そして俺達は両手で取っ組み合いをする。

すると.....栗谷が、そこまでだよ、と割って入って来た。

それから俺と智明に笑みを浮かべ.....。

ってか.....心なしか怖いんだけど。

俺達は顔を見合わせる。


「.....脅かしたら、喧嘩したらダメだよ?」


「.....そ、そうですね」


「あ、はい」


俺達は目を点にする。

栗谷さんの姉御肌が出たみたいだな。

俺達は顔を引き攣らせて.....。

そして智明は、じゃ。じゃあな、と逃げた。

あの野郎め.....。


「じゃ、じゃあ行きますか」


「そうだな。七水」


俺達はそのまま栗谷に向いて頭を下げた。

そしてまた後でな、と笑顔で挨拶する。

それから栗谷から離れる。

そうしていると栗谷が、はーくん、と言ってきた。

俺は?を浮かべて.....栗谷を見る。


「.....はーくん。その.....後で話があるんだけど良いかな」


「.....え?今じゃダメなのか?」


「ダメ。後で」


「.....あ、はい」


栗谷がかなり怖いんだけど。

話を聞こうとしたら今はダメ。

後で、と念を押された。


俺は顔をまた引き攣らせて苦笑い。

渋々と思いながら.....後で栗谷に接触する事にする。

それから七水と共に歩き出した。


七水は、栗谷先輩と何の話ですか?、と聞いてくる。

しかしながら、さあ.....?、としか答える事が出来なかった。

何だろうな.....?

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