原点

無為憂

 「他の誰かになりたがることは自分らしさの無駄遣いだ」

                           カート・コバーン

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 完成させたい小説がある。それはまだ私の頭の中にすらない。私の人生で残すべき小説があるという漠然な認識があって、誰かに届けるべきなのか私のための小説なのかわからない。けれど私が生まれるべくして生まれたように、その小説も私が絶対に産むべきなのだ。もしかしたら、それが私の生まれてきた意味かもしれないから。

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