おとぼけ公爵令息と、訳あり元侯爵令嬢の再会から始まる物語

キュンキュンのラブ・ストーリーかと思いきや、しっかり陰謀めいた謎もあり。
最初はまずヒロインの過去に何があったのか…? という謎に引っ張られて読み進めていくうちに、黒幕となる悪者の存在も浮かび上がってきて、そこに絡められるように主人公二人の恋愛模様が描かれます。
ちょっとハーレクイン・ヒストリカル風な感じです。
辛い過去をもったヒロインは、その過去のせいで人間不信になって、心に鎧をまとった状態ですが、それを天然おとぼけのヒーローがゆっくりと解きほぐしていく…。冷静で賢明なヒロインに対して、歯痒くなるなるくらいおっとりした馬鹿正直なヒーローに、途中でちょっとツッコミたくなりますが、最終的にはカッコいいところを見せてくれて、いい感じに終わります。
裏の裏を暴く…というようなひねくれた展開がない分、安心して読める…穏やかな読後感と、読みやすい分量の良作だと思います。(上から目線ですみません…)