ねぇ お願いがある まえみたいに 甘噛み してくれよ？



その女の子は不意にファインダーの中に現われ

傾いだドラム缶の上に溜まっている

雨水の上に蚊柱が立っているのを

ジッと見つめている


やがてコンクリートブロックに乗ると

ボウフラの湧いている雨水に

右手の人差し指を入れ

何かをやりはじめた


ドラム缶の乾いている部分に

濡らした指で文字を書いている

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録（無料）

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る