11.蛮族を追って

 そして、夜の間にも調査した冒険者一行によって、『蛮族の計画書』が発見されます。

 早朝、今後の方針のため、フォス副神殿長とお話をすることに。


GM : で、皆様は早朝のフルシル神殿に集まります


フォス(GM) : 「昨日はお疲れさまでした。あなた達のおかげで、大事にならずにすんだ。それもあって、皆さんに一つお願いしたいことがある」


ナング : 「あのレッサーオーガ絡みで、ですね?」


ジェニー : 「何か分かった?」


フォス(GM) : 「昨日のレッサーオーガについて、あなた達が調べてくれた『蛮族の計画書』について、解析が終わった。それによると、人間の盗賊団を利用して混乱を引き起こし、共同でこのフェスを襲おうとしているということだ」


ジェニー : 「!!!」


ナング : 「盗賊め、蛮族と手を組むとは」


GM : ちなみに、『蛮族の計画書』については「黒い炎」を意匠化した紋章が入っていたとのこと


ジェニー : 「まさか……あいつら!」


GM : 計画としては「フェスの人間を皆殺し」とかではなく、「フェスから奪える限り、財貨を奪ってやる」だけどね


ナング : 盗賊団、だからね。『黒き焔』


ジェニー : なんでわたしの村は全滅させてフェスはそのレベルなのかは気になるところだけど、ジェニーはそういうの気にしないな(プレイヤーの素に戻っている)


GM : 設定とシナリオの齟齬だから、あまり気にしないで(笑)。もちろん、「ジェニーの村を滅ぼす理由」はあったのかもしれないけど、今回は語られないということで


クリスティーネ : 「だとすると、どうしてくれましょうかね? こちらから仕掛けますの?」


ジェニー : 「アジトの場所までわかっているならそうしたいよね」


ナング : 「そのあたりは、どうなのかな?」


フォス(GM) : 「生憎と、場所までは分かっていない。だが、この近くにアジトがあるのは間違いない。また、昨日料理屋の女性から、『蛮族を見かけたので、普段キノコを採っている場所と違う場所を使った』という報告があった。そこに潜んでいる可能性は高いだろう」


GM : 食中毒事件があった所のおばさんね


ナング : 食中毒おばさん、此処に来て重要人物に


ジェニー : 「探しに行ってもいいし、キノコの場所に行って出てきた蛮族から聞き出してもいいよね」


ナング : 「まずはご婦人からキノコ狩りに普段言っていた場所を聞くところから、かな?」


フォス(GM) : 「あと……昨日着くはずのあるキャラバンが着いていないという報告もある。やはり、油断は出来ない状況だ」


フォス(GM) : 「フェスをやめる方が安全なのだろうが、ここに向かって人も物資も向かってきている現状だ。止める方が、かえって混乱を招くという判断になった。あなた達が動いてくれるのならありがたい」


ナング : 「ええ、任せてください。こういう事態の為の、冒険者です」


 昨日のおばさんリカントがしょんぼりしながらご飯を食べている所に向かった冒険者たちは、彼女から普段キノコを採っている場所を聞き出します。

 聞けば、半日ほど歩いた場所にある、深い森におおわれた小山が続く辺りとのことで、蛮族が隠れるには格好の場所と言えるでしょう。



GM : それでは向かうで宜しいでしょうか?


クリスティーネ : ゴーレムを召喚しておきましょう。「お祭りの雰囲気に合わせて、ちょっと造形買えてみたのですよ♪」


ナング : 「……耳付きのゴーレム?」


GM : 了解。他になければ、問題なくキノコの森に到着します。食用キノコが多く生えていて、結構人が来ていた場所ですね


フラッド(GM) : 「ふむ、たしかにこの場所は食用キノコが多いな。ここでキノコを採っていれば、毒キノコを採るなどあり得まいて」


ナング : 「フラッド、これじゃあないかい?」


フラッド(GM) : 「うむ、蛮族の足跡じゃな。こっちだ」


GM : という感じで、この栽培地から探していると、難易度がガッツリ下がるのよね


ナング : だから、前日に食中毒イベントを見ておく必要があったんですね


GM : ハプニングもなく、跡を追うことができます


フラッド(GM) : 「ふむ、蛮族の足跡は見慣れているが……あまり見慣れんものがあるな。クリス女史、ナング、心当たりはないか?」


GM : ちょっと変わった足跡を見つけたので、フラッドが聞いてきます


GM : セージ+知力ボーナスで魔物知識判定してみてください


ナング : (ころころ)11、ちょっと足りないかな?


GM : この辺には少ないし、ナングは分かりませんね。クリスティーネは分かります。「ドーン種」と呼ばれる、隠密行動を得意とする蛮族です


クリスティーネ : 「……これでしたら、前に見た事がありますわね。」


ナング : 「知っているのかい、教授?」


GM : 身長2m足らずで、背を丸めたがっしりした体格の全身毛むくじゃらな蛮族です。また、ダルクレムとかを信仰していて、神聖呪文も使うようです


クリスティーネ : 「ええ。神聖魔法まで使ってきますわ。調査してた遺跡で鉢合わせた事がありまして」


ジェニー : ダルクレム4レベルって、自己強化してくるのが厄介


GM : 後はちょっと種別は分からないけど、動物の足跡もあるようですね


ナング : 「呪文使いか。それも神聖……俺達にとっては厄介な相手になるね」


ジェニー : 「蛮族の神聖魔法は人族に強くなるものがある、厄介だね」


ナング : いずれにせよ我ら飛び道具無し。強化された敵前衛から殴り倒していくしかあるまいさ(笑)


GM : はーい、それではみなさんは足跡の追跡などを行って、見事アジトの場所を発見します。場所は山中の遺跡を利用した場所のようです。みんなのスイッチ入りそうなオブジェクトが多いのですが……


ナング : ほう?


GM : まずその1。ここに馬車が置かれています。マークからすると、フェスに来ようとしていたリカントの馬車が拿捕されたものの模様


ナング : 到着しなかったキャラバン、か


GM : マレーシャさんの部族と同じ模様が入っている


ジェニー : 「……」(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……)


GM : オブジェクトその2。クリスティーネは無条件で気付いていいですが、この遺跡の入り口には「傲慢なる女王アーシュリーズ」の家紋が刻まれております。見たところ、研究施設の1つなのではないでしょうか


クリスティーネ : 「……(『開放』したらもう一度調査に来ましょう)」(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……)


フラッド(GM) : 「……なあ、ナング。儂は今、味方の方が怖いんじゃが」


ナング : 「なに、どちらの刃も俺達に剥く事は無いさ」


クリスティーネ : 「いえいえ。ちょっと明後日からの予定が出来ただけですわよ♪」


ジェニー : 「早い所、助けないと」


 かくして、殺る気MAXのジェニー。

 偵察で中にいる戦力が少ないことを突き止め、無事に囚われていた人々を開放することに成功します。

 蛮族を捕らえると、蛮族語を話せるナングは尋問を開始。ここにいる蛮族たちが『黒き焔』に属するものだと判明します。つまり、人族の盗賊団と蛮族の強盗集団『黒き焔』が手を組んで、フェスの襲撃を企てていたのです。動物や魔動機、スリによって場を混乱させて、今晩襲撃を仕掛ける予定でした。

 敵には人族の盗賊団の首領である『槍使い』、蛮族の強盗集団『黒き焔』の使いであるドーン・ウォーカーがいて、他は雑兵クラスやゴブリン・フッドのようです。ドーンは隠密行動が得意で、人族へしばしば侵入する種族。蛮神ダルクレムを信仰し、申請魔法を使います。

 また、ドーン・ウォーカーはペットとして凶暴な動物を飼って、溺愛していることも分かります。おそらくそれも敵になることでしょう。

 捕まっていたリカント達の証言と合わせると、先のトップ連中はさらなる陽動とかく乱も兼ねてまた隊商を襲いに行ったということです。

 これにはジェニーも静かに怒り心頭。

 冒険者たちはこれ以上被害を広げるわけにはいかないと、陰謀を企んでいた連中の本隊を倒すために、隊商の救援へと向かうことを決めました。


ナング : 「そしてその『黒き焔』が、今また別のキャラバンを襲撃中のようだ。手遅れになるとまずい、急ごう」


GM : 了解


ジェニー : そう言えば、マレーシャさんの旦那さんは?


GM : 気にしていると、話しかけてくる青年リカントがいる。ジェニーはマレーシャさんの旦那と直接の面識なかったから、すぐには分からなかったということで(笑)


GM : 旦那「我々にも手伝わせてください。フッドやゴブリン程度なら、何とか戦えます」


GM : 村に来たゴブリン程度なら倒したことがある奴


ナング : 不安材料にしかならん(笑)


ジェニー : 「気を付けて。絶対に死んじゃだめだよ」


GM : 旦那「ええ。嫁を残して死ぬわけにはいきませんからね」


GM : 純粋に襲撃者の数は多いもんでね。その足止めくらいはするよというお話


ナング : 「なんやかんやで雑兵はボス戦に出てこない」のなんやかんやの部分になってくれる訳か


GM : そゆこと。では、キャラバン救出に向かうで宜しいかな?


ジェニー : うん、行こう

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る