【番外編?】年越し2020-2021
「ねぇ、綾乃」
「ん?」
「年越しってなんか思い出しちゃうね」
「……スミマセン。まだ、怒ってますか?」
「うーん。怒ってないけど、忘れられないね」
「だよね。本当にあの時はスミマセン」
「ふふふ」
「どうしたの?」
「このネタ出すと綾乃がしょんぼりしてかわいい」
「ていうかさ、美穂ちゃんさ、私のこと『かわいい』ってよく言うけど、私、そんなキャラじゃないと思うんだけど」
「何言ってんの。綾乃って結構すぐ泣くし、意外と乙女で面白いよ? 病院では一生懸命キャラ作ってるんだなーって思ってるよ」
「え! そんなんじゃないし!」
「確実に私より泣いてるよ。それに私の方がかっこいいって最近言われるよ?」
「誰に?!」
「私を応援してくれてる人達。終盤は綾乃より私の方が人気あったよ確実に」
「そうなの?!」
「作者は綾乃のこと好きみたいだけど」
「作者はどーでもいいけど、私って年上、年下、タチネコ関係なくファンが多いはずだよ!」
「多分、きっかけは新年のアレだね。そこからファンが離れていったんだよ」
「ああああ。だから本当にその節は申し訳ございません!」
「ここだけの話、今度綾乃が何かやらかしたらタダじゃおかないって言ってくれた人、何人もいるんだよ」
「美穂ちゃん愛されてるね」
「作者はずっと綾乃推しみたいだからいいんじゃない?」
「作者はどーでもいいんだってば」
「そういえば増田も綾乃のイメージ崩れたって言ってたなあ」
「弥生ちゃんまで……でも、あの時、弥生ちゃんすっごい冷たくて、私のこと汚いものを見るような目で見てきて超ヘコんだんだよ。でも、弥生ちゃんってそういう顔もスッゲー美人で驚いた」
「今の発言、絵理子さんに言うね」
「美穂ちゃん、絵理子の連絡先知らないでしょ?」
「知ってるよ」
「え! 何で知ってるの?!」
「この間絵理子さん東京に来て増田と三人でご飯食べたんだぁ」
「知らないんだけど!」
「絵理子さんが『綾には秘密で。その方がなんか面白いでしょ?』って言ってたから。その時連絡先交換したんだよ」
「絵理子のやつ! で、何話したの?」
「それは秘密だよ。だけど綾乃のことはたくさん話したよ。楽しかった」
「今度、絵理子に白状させる!」
「綾乃じゃ無理だねえ」
「今ちょっと気づいたんだけど、私のキャラどんどんおかしくなってない?!」
「そんなことないんじゃない?」
「そんなことあるよお」
「さてさて、今回の年越しはいったい誰から電話来るのかなあ。楽しみだねえ」
「電話かけてくるような人いないから!」
「オペ室のあの美人看護師とか」
「あの子は私の番号院内PHSしか知らないし!」
「仕事のこと以外でかかってきたことあるんだ」
「……」
「ほんっと嘘つけないよねぇ」
「でも断ってるんだよ!彼女いるって!」
「彼女って言っちゃったんだ」
「……咄嗟に出ちゃったんだもん」
「それじゃあ引き下がってくれないでしょ」
「なんで分かるの」
「誰でも分かるよ。分かってないの綾乃だけ。あー、ホント、綾乃って肝心なとこで詰め甘い」
「…………」
「あ、今、年越した! あけましておめでとうございます!」
ブー、ブー、ブー、ブー
「!!」
「スマホ鳴ってる!」
「え、美穂ちゃんの?」
「私のじゃないよ。綾乃のだよ。こんな時間に誰?」
「知らないよ!」
「でたら〜」
「出る必要ない!」
「病院かもよ?」
「そっか……って、美穂ちゃん出て!」
「なんで私がでるのよ!!」
「だって怖いんだもん」
「自分のスマホでしょ?」
「美穂ちゃん見てよ」
「しょーがないなあー。」
「あ」
「え?誰?」
「大野博美」
「嘘?! 嘘でしょ?!!」
「もしもし、青木です」
「え?! ホントに出ちゃうの?! え、なんで?!」
「綾乃ですか? いますけど……かわりますね……はい。どうぞ?」
「え。あ。うそ、え」
「出てあげて?」
「はい。南です…………ってなんだよ!!!絵理子かよ!!! はぁ?! ちゃんと償ってるから!! いい加減にしてよ!! 心臓止まるかと思った! やましいことなんて一つもないわよっ!! え? 何?! 一番人気あるのは実は絵理子だって?! そんなわけないじゃない!! 美穂にかわるから!」
「あ、絵理子さん。増田もいるんですか? 相変わらず増田、通い妻してるんですね。ごちそうさまでーす。 大丈夫です。お陰様で今夜は主導権握れそうです。ありがとうございます。絵理子さんも頑張ってくださいね。増田、結構溜まってますから。はーい。増田からは病院で聞きまーす。今年もよろしくお願いします! おやすみなさーい」
「みんな酷い」
「というわけで、今日はそんな綾乃に、かわいい下着を買ってきました〜!」
「え」
ガサガサ
「コレ!」
「ヤダ!! 絶対着ない!!!」
「ピンク嫌い?」
「そんな色とかヒラヒラしたのキャラじゃないし着たことないし! その前にそんなん着るような年じゃないし!!」
「似合うと思うんだけどなあ。こういうブリブリしたやつ」
「それ着たら私の大切な何かを失ってしまう」
「この刺繍なんて女子っぽくて可愛くない?きっと似合う」
「やだ!」
「せっかく買ってきたのにな。さっき怖くて電話出れなかったの、意気地なしだねえ。なんかまだ、色々あるの?」
「ないよ!!」
「じゃあ、着てくれるよね?」
「うううう」
「お風呂入ろっか。上がったらブラつけてあげるね!」
「いやだああああ」
おわり
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