襲撃①

宿に泊まった、その夜だった


俺は突然、妖力とは違う何かが強くなるのを感じて飛び起きて、刀を持った


「ユラ!!」


「ハクビわかってる!」


隣の部屋で寝てたハクビも異常事態に気付き合流した


「これが魔力か??」


「あぁ、そうだこの感じは妖力ではない魔力の感じ。 しかも、何か得体の知れないのが村に近づいてる」


この魔力の濃さはリザードマン達にはない濃さだ確実にリザードマンよりは強い


俺達は慌てて外に出る。 周りを見るとみんな眠りについてる時間なので、誰もいない


どこから来る...


咄嗟とっさに後ろからの殺気に気付き俺は飛んできた物を刀で防ぐ


「おいおい、そんな冷たい挨拶は辞めてくれよ」


暗闇から現れたのは黒装束の人型の魔物だった。 他のところからも現れて合計6体の魔物が現れた


「ハーメルン様から邪魔になりそうなやつを暗殺しとけってお願いでな。 大人しく死んでもらおう。 抵抗はするなよ痛がらずに済む」


「ユラこいつは殺してもいいか?」


「構わん、あっちも殺す気だ」


ハクビはそれを聞いて小太刀を構えた


みんな間合いを詰められてない、お互い隙を見せていない


(もらった...!)


俺の後ろに一人が回り込んできた。 俺は腰にかけていた刀の鞘を押して、後に回り込んできた魔物を高速で鞘の先に当てた


(ぐっ...!?)


他の5体も一気に俺とハクビに襲ってきた


爪の形をした武器を持った魔物がハクビを切り裂く


「白術・白花分身の術」


黒装束の魔物は一瞬驚いたがすぐに体制を立て直した


1人が地面に魔法陣を書き始めた


「くらえ...!」


魔物が魔法陣に手を付けると地面が蛇のように伸びてハクビを襲った。 ハクビはそれを避け続ける


「周りの物質を変える能力...錬金術師か。 ユラ気をつけろ魔術を使えるやつも混ざってるぞ」


「あぁそうみたいだな。 液体を飲んで能力得るやつは確か魔女か魔法使いだっけな」


ハクビがユラの方を見ると、黒装束の魔物2体が魔法瓶を飲んでいた


「わおおおんんんん!」


魔物2体は頭を包んでた巻き物を脱ぎ捨てて雄たけびをあげた。顔は狼の顔をしている


「こいつらは??」


「人狼だな。 詳しい説明はできないが、人の形した狼って覚えといて良い。 しかし、人狼で魔女の真似事するのか、なかなか手強いぞ」


「そしたら、こっちも真似事で返せば良いさ」


ユラはそう言うと胸から、文字や魔法陣が書かれた札を2枚取り出した


「それは...召喚術式か!!」


「親父より全然少ないが、俺の数少ない仲間だ」


ハクビはついてきてるが、普段妖怪を連れて歩くの面倒な俺は妖怪を自由にさせて呼びたい時に呼ぶようにしてる


「まぁ、この2体ならどうにかなるろ」


俺はそう言うと、術式を唱えて札を空に投げた


札は白い煙を放ちあたりを立ち込める


「あいつら何をしやがった!? 錬金術師探りで何かやってくれ」


「あぁ!!」


錬金術師の魔物は地面に魔法陣を描いて、手を付けた。すると、地面が鋭い槍が何本も出てきた


「死にな!」


錬金術師はもう一度地面に手を付けると、槍は煙の中にいるユラ達に向かって飛んでいった


しかし、突然発生した強力な爆風により槍は吹き飛ばされる


「久々に呼ばれたと思ったらここはどこだ?? しかも、いきなり戦場、まぁある程度あんたが呼ぶ時は戦場って、決まってるから覚悟はしてたが」


赤顔に赤い長鼻に下駄を履いた妖怪が現れた


「久々やのぉ天狗てんぐ


「いてて、また無茶してるなぁユラさん」


もう一体は犬の容姿をした妖怪が現れた


「元気そうにしてるな犬神」


天狗は俺の横に立つと辺りを見渡した


「んで敵はあの狼顔のやつでいいのか?」


「あぁあいつらだ」


行こうとする天狗を犬神は呼び止めた


「待てよ天狗、2匹とも相手にするな1匹は俺が相手する」


「周りみなよ、まだもう1体骨がありそうなやつがいるだろ」


天狗が指を指した方向を見ると、錬金術師の魔物がいた


「こいつ強いのか??」


犬神は両手を合わせて離すと火の槍が出来上がった


「様子見ならこれでいいか」


炎術・紅蓮槍グレンヤ


犬神が錬金術師に向かって炎の槍を放った


錬金術師は咄嗟に腰にかけてあった巻き物を広げて、両手をつけた。その瞬間、錬金術師の目の前に土の壁が出来上がった


その土の壁に槍が突き刺さる


「珍しいの使っているね、巻き物を広げた瞬間、術式みたいのが見えたそれが引き金となっているのか」


犬神は錬金術師の腰にまだ何個も巻き物がぶら下がっているの確認すると


「天狗たまにはいいアドバイスするなぁ、退屈しなそうだぁ」


犬神は天狗を見て笑顔で言った




「さて俺達は残りの三匹を相手かな」


天狗が狼人間2匹、犬神が錬金術師。 俺とハクビが残り3匹を相手にする


「まぁ退屈はさせるなよ」


ハクビは持ってた酒を飲みながら言った


「安心しろ、俺は称号持ちの魔物だ退屈させねぇよ」


最初にハクビの分身を切り裂いた、爪の形をした武器を使ったやつが前に出てきた


「へぇ称号持ちかい。なんの称号だ?」


「ステルスキラー」


そういうと腰にかけてあった鐘を鳴らした。そうすると、鐘の音が鳴り響いて、その魔物は姿が見えなくなった


「これは確かに飽きなそうだ」


俺達は謎の暗殺者と戦うこととなった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る