第26話 敵は神様?②
おにぎりだけの簡素な食事が済むと、女の子は瞬間移動能力で去っていった。
また明日の朝には食事を届けてくれるらしい。
部屋から出るなとは言っていたが、逃げようと思えば逃げられる。
ホテルの玄関や窓から外に出れば防犯カメラや衛星画像に映ってしまうが、地中を掘り進んで行けばバレずに外に出られる。
なんでも切れる能力なら、床や地面を分解してトンネルを作ることもできる。安全に降りられるよう出入口を階段状に切り開くことも可能だ。
可能だけど……本当に逃げる?
逃げてその先どうなる?
当然ながら、月にいる彼らには手が出せない。
でも、こっちは、下手をすれば、また居場所を特定されてしまうだろう。
つまり、逃げてもこっちが不利だ。
それなら、あの子が言った通り世界探偵の話を聞いた方がいいのか……。
分からない。
今日一日で色々ありすぎた。
頭が回らない。
あの探偵は私を許すだろうか?
何千万人も殺した私を許すだろうか?
分からない。
でも、彼に聞いてみたい気はする。
神が敵だったとして、神に対抗する手段はあるのか?
あの神が約束を反故にした場合、私一人ではどうにもならない。
勝った後のことも考えておかないと。
ハッキリ言って、私はあの胡散臭い神様もどきが嫌いだ。
だからリスクは承知の上で決意する。
明日、朝起きた時に考えが変わってなかったら、探偵の話を聞こう。
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