第10章 さくらとの出会い 【6】

 電車は滑るように高空たかぞら駅のホームに停車し、俺たちは電車から降りた。「通り魔犯が逃走中」のせいか、駅構内には警察官の姿がちらほらあり、物々しいことこの上なかった。

「うーん、まだ犯人捕まってないみたいだね」

「みたいですね。全く迷惑な話で……。あ。そうだ。先輩。俺、東口側の駐輪場に自転車止めてるんです。先に取りに行っても良いですか?」

「良いよ。行こうか」

こうして、俺たちは高空駅の東口方面へ歩き出した。

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