LV2からはじまる大冒険!【ソード・ワールド2.5リプレイ】

くま猫

第1話『プロローグ』

 ここは剣と魔法の世界ラクシアの迷宮王国グランゼール。冒険者たちがつどう都です。


 グランゼールは50年前に発見された魔剣の迷宮を攻略するために築かれた都市国家です。


 現在の王城が完成したのもたったの38年前です。まだまだ歴史のあさい国です。


 だからこそ「我こそは!」と大志をいだく冒険者たちがつどい、その結果として驚くべき勢いで発展した都でもあります。



 グランゼールには人間、エルフ、ドワーフ、グラスランナー……。


 さまざまな種族がつどっています。この国は彼ら彼女らと共に協力しあい発展してきました。


 グランゼールでは日々、必ずなにか事件が起こります。そして事件が起きれば冒険者たちが力をあわせて解決に向かいます。



 活気あふれる街の様子は毎日がお祭り騒ぎなどとも評されます。



 冒険と栄光、富と成功、大志を抱く冒険者がつどうグランゼール。今日もまた新たな冒険たちが訪れようとしています。



 さてさて今日はそんなグランゼールに訪れた新米冒険者たちの様子を少し覗いてみましょうか。





  ◇   ◇   ◇





【人間の少年:シン】


*解説:〈人間〉はこのラクシア世界でもっとも多く見られる種族です。15歳で成人し100歳程度で寿命をむかえます。この世界で最初に生まれた人族です。



 シン:迷宮王国グランゼール。噂には聞いていたけど……すげぇな。やっぱ、俺の村とはケタ違いだ



 迷宮王国グランゼールは冒険者のつどう街だ。



 シン:さて、まずはギルドだな。冒険者を目指す者としては女神の微笑み亭といきたいところだが……、まだ実績がねぇ俺は、挑戦者の旅立ち亭の方が良さそうだな



 女神の微笑み亭は大迷宮が解放された時からある冒険者ギルドの支部である。


 女神の微笑亭は冒険者憧れのギルドではあるが、駆け出しにとっては少しハードルが高い。



 シン:ひゅーっ。ここがギルド……でっけぇな



 シンはギルドの巨大な建築物を見上げる。



 シン:(かあさん見ていてくれよ。俺はいつかでっけぇ男になるからさっ)



 今は亡き母に誓いを捧げる。そして、扉を勢いよく開くのであった。




【グラスランナーの少女:ピノ】


*解説:〈グラスランナー〉は15歳で成人をむかえます。身長は成人でも1メートルほどです。小柄な種族で人間の子供とよく似た容姿をしております。歌を好み、虫や植物が感じていることをなんとなく理解できる、そんな種族です。



 ピノ:ふえぇ……。つっかれたぁ。ここがグランゼールだよね



 この少女はグラスランナーの少女ピノ。好奇心いっぱいの女の子だ。



 ピノ:うわぁ。人がいっぱいだ



 ピノは放牧民の両親と一緒にいろんなところを旅してきた。だけど、こんなに大きな街にくるのは初めてのことである。



 ピノ:まずはギルドってパパが言っていたね



 ピノは挑戦者の旅立ち亭の前に立ち、深呼吸。扉を勢いよく開くのであった。



【メリアの少女:ハル】


*解説:〈メリア〉は植物から人族に進化した種族です。頭や手首などに、一輪の花が咲いてます。感情に応じて咲いたり、しおれたりします。短命種の寿命は10年ほど。外形は人間とほぼ同じですが内部は植物に近い単純な構造です。



 ハル:馬車旅もけっこー疲れますわね



 この少女はハナ。メリアの少女だ。なにかのトラブルで船の積み荷にまぎれていた彼女は、船のなかで生まれた。



 ハル:産まれてから3年間ほとんど船の上での生活でしたから、どうしても陸地は慣れませんわ



 ハルが生まれた船の船長は元冒険者であった。彼はハナを自分の娘のように大切に育て、冒険者として送り出した。



 ハル:確かお父様のメモによると、私のような駆け出しの冒険者は挑戦者の旅立ち亭が良い、そう言っていましたわね



 ハルはギルドの扉を開く。



 ハル:迷っている時間はありませんね。命短し恋せよ乙女ですわ




  ◇   ◇   ◇




 人間の少年シン、グラスランナーの少女ピノ、メリアの少女ハル、どうやら運命に導かれたかのように3人が同じ卓に着いたようです。


 それでは、彼らがどのような冒険をするのか覗いてみましょう。


 TRPGセッションはじまりはじまり~

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