眠る君と春

暖かな風と花の匂いがふわりとカーテンを揺らす。もう春なのかと僕は窓に目を向けた。中庭の桜が眩しい。

━━あの日から季節は何周したのだろう

「ねぇ···僕もう歳が追いついちゃったよ? だからさ」

病室のベッドの上で瞳を閉じ眠り続ける愛しい君。

…···お願い。そろそろ目を覚ましてよ···…

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