死にゲー×ホラー

ホラーにとって死は欠かせないスパイスだ。

「死」は人間にとって一番の恐怖である。

モンスターやエイリアンに襲われて恐怖を感じるのも、そこに命の危機があるからだ。凶悪な放電能力と多くの子供を苦しめたフラッシュ能力を持つピカチュウが愛されるのも、「こいつは人を殺さないだろうな」という認識があるからだ。


ただ、死にゲーとホラーの組み合わせは正直微妙である。死にゲーはいわずもがな何度もゲームオーバーになるゲームだ。プレイヤーは死を経験し、その度に経験値をためて困難に立ち向かう。

つまり、死が軽い。死んでもすぐに生き返る世界で恐怖は感じにくいだろう。


しかし、この作品は素晴らしいことに、いつになっても新鮮な恐怖を提供してくれる。生理的嫌悪感を抱かせるものもあれば、意味の分からない存在への恐怖がある。群衆に追われる恐怖もあれば、話のできたNPCが狂いだす恐怖もある。


このゲームは恐怖に飽きない。


このゲームは恐怖に慣れるのだ。

初回は恐怖でなすすべなくやられた敵も、何度も死んでいく内に慣れていく。相手の攻撃パターンを見極め、自分の攻撃を叩きこむことができるようになる。


このゲームの肝は恐怖を克服することにある。

そして、それはゲーム性にも強く出ている。

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