第六話 欠陥品、屋上での戦い

カケルは現在の状況確認を始める。


「まずは、状況確認だな。外の様子はどうだ?」  


カケルが聞くと、ヒトミが窓の外を見て言う。


「黒い服に見を包んだ人が何にもいるね」


「電話は?」


ヒトミはスマホを見ながら首を横に振る。


「使えない。多分テロリストの人が言ってたとおり妨害されてるんだと思う」


「なるほど。外にはたくさんの敵、電話は使えず警察などの増援は望めない。そして放送から察するに今動けるのは俺たちだけ」 


カケルは銃を握る。


「カケルくん、やっぱり行くの?」


「ああ、だからこのクラスのことは頼んだ」


カケルは銃をヒトミに渡す。


「あ、待ってカケルくん。武器も持たずに――」


「問題ない。俺には、これがある」 


カケルは、シャーペンを取り出す。


「じゃ、後よろしく」


「ちょ、カケルくん!」


カケルは教室を出る。


「カケルくんそれ武器じゃないよー!」


教室内で、ヒトミの言葉響いた。



――――――――――


「ここは一つ一つクラスを回るより、一気に頭を叩くべきか」


(すると、ボスがいるのは校長室、放送室、職員室、屋上あたりか)


カケルはひとまず階段に向かう。


カケルの通っている学校は、教室棟、特別教室棟の2つの校舎に別れており、職員室や校長室は特別棟の1階にある。

現在カケルが居るのは教室棟の2階だ。


(特別棟に行くなら降りるし、屋上なら上がるが……)  


カケルが階段前で悩んでいると、


「き…ゃぁ…ああ!!」


ところどころ掠れながらも、叫び声が聞こえる。


「今のは、上か」


その言葉と同時にその足は階段を駆け上がる。


「きゃぁああ!!」


カケルが最上階への階段を駆け上がっている最中にも叫び声が響く。


「叫び声。これより上だと……屋上か」


カケルは更に加速し、そのまま屋上への扉を蹴り破る。


「「ひゃあぁぁ!?」」


「うぉぉ!?」


蹴り破った先に居たのは青髪の双子の少女と、二人に襲いかかろうとしている黒服の男一人。


「これはどういう状況なんだ?まぁ、とりあえず」


カケルは黒服の男に蹴りを入れる。


「グホッッ!!」


その蹴りで男はうずくまる。

カケルはそのまま男に追い打ちをする。


「ぐえっ!、グオッ!」


その追撃により、男はその場に倒れる。


「屋上にいるのは、こいつだけか」


カケルは周りを見渡す。


「あ、あの……」


「ん?ああ、大丈夫……か?」


カケルは少女たちの方を向く。

そこに居たのは……


「君たちはあの時の、」


「は、はい。また助けてもらってありがとうございます」


以前カケルが助けた、双子の少女。姉の双葉美念と妹の双葉美話だった。






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