終章 苦難を乗り越えて

【登場人物】


白波 冬哉(しらなみ とうや):男性


本作の主人公。逢魔が時を乗り越えた少年。本人はその事を覚えていない・・・。




友人:男性


冬哉の友人。冬哉のことを揶揄う。




???:女性


冬哉にとってどこか聞き覚えのある声。まさか・・・?




ナレーション:性別不詳




【本編】


ナレーション「逢魔が時から数ヶ月が経ち、逢魔が時でのことをすっかり忘れた冬哉。あれから冬哉は無事に、不登校から脱却。夏休み明けから学校へと通い始めた。」


ナレーション「先程も説明したが冬哉は逢魔が時での出来事を全く覚えていないので、冬哉は不意に心が軽くなったのを不思議に思っている。」


ナレーション「そして、さらに時は進み・・・。」


【中学校の卒業式当日、卒業式を終えた冬哉はいじめられる前から親しかった友人と共に駄弁りながら帰っていた】


友人「・・・なぁなぁ冬哉、今更なんだけどさぁ、」


冬哉「ん?どした?」


友人「何で急に夏休み明けから学校に来始めたんだ?」


冬哉「・・・なんでだっけ?でも、なんか大切な人に出会った気がする。そんでその人から勇気をもらった気が・・・。うーん、わかんね!」


友人「何だそれw あ、もしかして・・・彼女!?」


冬哉「ば、馬鹿っ!そんなわけねえだろ!(顔を赤くする)」


友人「ハハッ、冗談だってw」


冬哉「だいたい、彼女だったらしっかり覚えてるはずだろ!?」


友人「まぁ、それもそっか・・・」


冬哉「・・・そんなに俺が薄情な男に見えるのかぁ?(怒)」


友人「ご、ごめんってば(汗)」


【そんな他愛もない話をしながら歩き、別れ道へ辿り着いた】


友人「じゃ、俺こっちの道だから。じゃあな!また会おうぜ!」


冬哉「またな〜。」


【冬哉、一人きりに】


冬哉「・・・確かに、どうして学校に行けるようになったんだ?なんかターニングポイントがあったわけでもないし・・・。たまに考えはするんだけど、全く見当がつかない。」


【冬哉、考えながら歩く】

【その姿を陰ながら見ている者がいた】


???「・・・まったく、何言ってるのよ。苦難を乗り越えられたのは、紛れもない、貴方自身の力でしょうに。(微笑みながら見守る)」


冬哉「ん?(振り返るが、誰もいない)今、どっかから声が・・・。」


???「・・・頑張りなさい、白波冬哉。」


冬哉「・・・幻聴、か? 今『頑張りなさい』って言われた気が・・・。」


【そう言い残し、冬哉は再び歩き始めた】


???「・・・。」


【陰から出てきたのは、『アテン』だった】


アテン「・・・心配で見に来たけれど、元気そうで一安心。」


アテン「冬哉なら、大丈夫。だって、逢魔が時を乗り越えたのだから。」


アテン「胸を張って生きなさい。『逢魔を討った者』として。」


アテン「・・・まぁ、この声は当の本人には聞こえてないけどね。」


アテン「じゃ、帰りますか。」


アテン「改めて、今生の別れね。・・・バイバイ、冬哉。」






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逢魔を征く者 Re.make編 完



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