アーサーは絶対、グィネヴィアを娶りたくない

汐凪 霖 (しおなぎ ながめ)

第1話 だからなんで転生

 多分、オレは死んだんだと思う。

 もしくは死にかけてるんだと思う。

 いや、やっぱ死んだとしか思えないな。


 1日の労働を終え、ささやかな夕食とビールと風呂で己を癒し、さて眠るかと布団に入ったところで異変は起きた。

 凄い地震だった。

 グラグラ、ぶるぶる、バタバタと、ものが倒れたり落ちたりして、ガラスが割れる音もしたと思う。部屋の中も、窓の外も、真っ暗で、驚いているうちに頭と胸に重みというか痛みというか衝撃がやってきて、意識を失った。


 ──気がついたとき。


 目の前には、ヘンな おっさんがいた。

 じじいみたいに長い髭を顎から垂らして、三角頭巾のローブみたいなのを着ている。


「誰、あんた」


 尋ねると、おっさんは絶叫した。


「なんてことでしょうアーサーさまぁああ‼︎」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る