第15話 『日本坊主列伝』榎本秋を読みました

 こんにちは。草原守拙です。


 毎日、午前中は『勉強本』購読の時間です。とはいっても今更勉強なんぞしたって世間さまのお役に立てもしなければ、ノーベル賞も文化勲章も貰えませんし、重要無形文化財にしても貰えませんし、ましてやユネスコ世界遺産に登録されることもありません。


 貰える可能性があるとすれば、紺綬褒章かモンドセレクション金賞でしょうが、両方ともカネが必要なので、何か悪いことをして大金をせしめなくてはなりません。


 ああ、人名救助でもすれば神奈川県警から感謝状と金一封を貰えるかもしれませんが、金一封は区役所に収入報告の必要があるのでしょうか? まあ、わたしは救助するより救助される確率の方が高いので気にしなくてもいいかな。


 ああ、話がそれました。

 今回『日本坊主列伝』などという変わった本を見つけて買ってみたのですが、いわゆる『高僧伝』のように真面目な僧侶(ああ、わたし『高僧伝』など読んだことありませんので憶測です)ではなくて、日本史を騒がせた坊主たちの列伝で読み物としては面白かったです。この本の作者は別名義で時代小説を書いているようです。わたしは時代小説は佐伯泰英のせいで読みませんので、知ったこっちゃありません。


 日本史を騒がせたということは、寺で読経や座禅を組んでいるというより、弁慶のように武将であったり(とはいっても資料では九郎判官に武蔵坊弁慶という家人ありくらいしか書かれていないのでほぼフィクションですけど)、果心居士のようなミスターマリックのようなイリュージョニストであったり、政治に関わったり、商売で成功してしまうという、本道から外れた人ばかりなんですよ。真面目な僧侶は空海くらいかなあ。しかし空海もかなりスピリチュアルな伝承がありますからね。変わり種の僧侶とか言ったら怒られちゃうかな?


 登場する僧侶の宗派を見ていると、なぜか臨済宗の坊主が多いのですよ。臨済宗って禅宗ですよね? なぜ、変わった人物が多いのかが気になるところです。禅宗というと曹洞宗の方がだいぶメジャーな気がします。本書には確か曹洞宗の僧侶は出てこなかったと思います。むかし、テレビで鶴見の總持寺の新人僧侶の修行をやっていて、たまたま観てしまったのですが、厳しいこと厳しいこと。あそこまで厳しいと、いずれ新人僧侶が總持寺をパワハラとブラック宗教として訴えるのではないかと思えるくらいに辛そうでした。わたしは一日体験修行でもやりたくないです。


 一方で、男色衆道というのは僧侶たちが発祥ですよね? さらには酒を般若湯などと言って飲んだり、肉食も何かに誤魔化してしているところもあったでしょう。

 浄土真宗に至っては結婚まで許しちゃって、子供が跡を継ぐ「世襲制」という仏教の戒律ではあり得ないこともあります。


 わたしが思うに、坊主というか僧侶は知識人、学者の側面が強かったような気がします。

 ああ、明治時代以降は僧侶も結婚していいと国が認めているそうです。他の国の僧侶がそのことを聞くとびっくりして禿げちゃうそうです。で、「もう剃髪しなくて楽だ」と言ったかどうかは知りません。


 さようなら。

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